年内最後のお仕事はYZ250FのフロントフォークのO/Hでした。本当に今年はYAMAHAのお仕事が多かった気がしますね~。YZ250FXやYZ250X、450FXとか125X。元気が良いメーカーなだけありますね。
本年は沢山の人にお世話になり誠にありがとうございましたm(__)m2016年は5日からの営業となります。
それでは良いお年を~(^O^)/
師走の忙しい時期ですが皆様如何お過ごしでしょうか?もうすぐ来年だと言うのに海老名は暖かいです。今日はちょっと寒かったですね。
さて、本日は30年近く前のKawasaki ZX-10の整備の模様です。このモデルの後にZZRになるんですね~(*´з`)ビッグバイクの風格漂うモデルですが、高齢の為しっかりと足回りの整備を行いました!
フロントサスペンション(フォークとステム)、リアサスペンション(リアショックやピボット部とリンクアーム)を分解洗浄して交換が必要なパーツを交換し、錆を落とし、時間は掛かりましたがしっかりと組上げました。
フォークを分解してみると、スプリングにイニシャルを掛ける為に本来入っていない筈のアルミの塊が入れられていました。尋常でないイニシャル量でしたので取っちゃいました(∩´∀`)∩
ついでに塊じゃエアボリュームも正確に管理できなくなるので、せめてカラーにしないといけません。
正しくはダブルレートのスプリングをシングルレートにしてからイニシャル量を最適にしなければスプリングの持つストロークが殺されてしまうのでアリんすよ。この頃のマシンはエンジンの割に足回りが貧弱で何とかしようと色々と試行錯誤していた時代でした。今考えると間違ったやり方だったりするんですよね(^^;
リアショックにはオーリンズが奢られていました。Ohlins shockですが今の物と比べると原始的なモノです。せめてガス室別体式のだとパフォーマンスが上がるのですが…TTXとか奢ったらどうなるんでしょう?
サスペンションユニットの選び方ですが、ショーワやKYBでも高性能な物がたくさんありますし逆を言えば舶来品が全て高性能と言う訳ではありません(勿論、スゲー高性能な物もありますよ~スゲー高価ですが)。この頃の話となると別なんでしょうけど(とゆーか純正品はスポーツ性能よりも安全性重視になってます)。
1990年前後の頃は装着されているパーツブランドの差でバイクのカスタム度が評価されていましたよね~。TMRやFCRが入ってる!とか、オーリンズやホワイトパワーが入ってる!とか、ブレンボだぜ!とか。(今でもそう?)
ハーレーだぜ!とか、BMWだぜ!とか、ドカティだぜ!とか、KTMだぜ!とか、クラシックバイクだぜ!とか、珍しいバイクだぜ!とか。
パーツやバイクの持つ特殊性や希少性よりも大切な部分。【真実】を求めていきたいと思ってこの仕事をしております。勿論独りよがりではいけません。安全である事、乗っていて楽しい事、大切です。レースでタイムアップ、好成績の出せるマシン、こっちも大切です。壊れっちまった!直したい!こっちも大切。
何故でこんな話になったのかと言うと、こちらのZX-10のオーナー様はこのマシンを本当に大切にされているのを感じているからなんですよ(私が)。それなりにヤレてますが、そこもいいんです(大切にする方法は多々ありますが)
古いんですが、ヤレてるんですが、『相棒』なんだろうなーって感じるんですね。現状で最高の『相棒』になる様にしたいと思う訳です。
そう言った本当の『相棒』にめぐりあう事ができたオーナー様は幸せだよね。
長々と書き過ぎた感はあるけど(^^;
全ては変わり過ぎていくけど僕はずっと変わりはしない~♪
KTM 690ENDURO Rをローダウンします。前後で-20㎜のローダウンになる様に寸法を変更します。リア側はロウダウン用のリンクは使用せずに、ショック長を変更しました。リンクで車高を変更するとレバー比が狂い、フルボトムするとフェンダーに接触したり、路面追従性が狂うのでローダウン用リンクはお勧めできません。
今回、690エンデューロをスポーツ走行性重視のサスペンションになる様にセッティングも変更します。オーナー様の体格とご希望に沿う様、スプリングも変更です(^^)/
勿論フロントフォークも20㎜のローダウンになる様に寸法を変えていきます。ショート化に伴い、スプリング長の変更が必要でしたのでワンオフでスプリングを制作してもらいました。レートもリアとのバランスを考えて変更しています。スプリングをカットする方法もあるのですが、実はカットしてしまうとスプリングの強さが変化してしまうのと、焼きが入ってしまい特性が変化してしまいますのでジョニーズファクトリーではお勧めしていません(-.-)
ショックも同じなのですが、ロウダウンの為のパーツを旋盤で削り出します。各ダンパー内部に組込んでしまうので全く見えないパーツですが、こう言った部品を組込んでショート化していきます。
続いてサイドスタンドも短くします。切断して、補強の為に内側に入れるパイプを旋盤で削り出します。サイドスタンドの内径ギリギリまで精度を追い込んでいきます。圧入して溶接しなくともガッチリ固定される様にする為です。
長さの確認の為に、装着して様子を見てみます。溶接しなくとも画像の様に問題なく機能するんですが…
溶接して、塗装したら完成です(^^)/
前回からの続きです。リアショックの作業を終わらせてフロントフォークの作業に取り掛かろうとした所、ステアリングステムがガタガタになっている事に気付きまして、分解しました。ステムベアリングは錆びてレースには打痕がついていました。
ベアリングもレースも特殊工具を使って確実に圧入します。叩き出したり、叩き込んだりするとメインフレームやステムシャフトにダメージを与える恐れがあるので、できるだけそう言った方法は取りたくありません。
続きましてフロントフォークです。実は…これが色々と難有りでした(^^;元々モタード仕様の為、ショート加工されていたんですが、使用しているロウダウン用のカラーが歪な形状の物が組み込まれていて、フォークダンパーのロッドは傷だらけになってしまい、ロッドホルダー内のブッシュやシールを傷付けていました。画像には写っていませんがバリも出たままです…(^^;
こうなると修理が必要になってきてしまいます。フォークスプリングも標準レートの物を大幅にカットされていました。あちゃ~って感じです…((+_+))
今回はリアショックスプリングと併せてフォークスプリングも交換しますので問題は無くなります。
このCRF250Xは2004年モデルで、当時はまだサスペンションの情報ってショップさんでも今の素人さんレベルだったと思います。07年のCRF150Rがきっかけでリバルビングとかサスペンションチューニングとかって言葉が浸透した様な気がしますし(ミニモトで大人が本格的に遊べる様にチューンナップ!てのがきっかけじゃない???)。
何を隠そう、私だって今でも勉強中ですし(^^;
90年代のオートバイを見たって、メーカーそのものがまだまだ明確な答えを見つけられてはいませんしね。今でもそうかもしれませんし、メーカーによって考え方(コンセプト)が違うしナア。昨日、素晴らしいと思って物が、何かをきっかけに今日は駄目な物になる事もありますし日々勉強でアリんす!
今回も機材のお話しです。一番お世話になっている機材と言っても過言ではない、サスペンションユニットのエア抜きに使用する真空ポンプでございます。
主にリアショックのエア抜き、オイル充填に使用する為の機材です。手作業では不可能な工程なのは言うまでもありませんが、確実でスマートに作業できるので、とっても大切な相棒であります♪
リアショックだけでなく、クローズドカードリッジ(分離加圧型)フォークのダンパーのエア抜きなんかにも使ったりします。この場合、国産の物にはダンパーボディを改造しないと使えないのですが、やっぱり目で見て確実にエアが抜けるのを確認できるのが良いですね。
ストロークが300㎜近くもあるフォークダンパーですので、手作業のエア抜き作業ですと、キャビテーションが起きてエアが混入する事が多々あるんですよね(これがかなり厄介なんですよ~)。
しかーし!!例えエア抜き中にキャビテーションによってエアが混入したとしてもこのポンプがあればエアが抜けた事が確実にわかるんですね~(*^^)v
エアが混入したダンパーですとセッティングが安定せず「アレ?」って思う場合が多々出てきてしまい、セッティングのドツボにハマってしまうのです(実際、実験したんでーす)。
あぁ、設備って大切・・・(∩´∀`)∩
続く
最近、大流行している(?)YZ250FXのリアショックです。オーバーホールのご依頼なんですが、色々とオーナー様のお話しを伺っていると吊るし(ノーマル)の状態では色々と不都合がある様でした。
最近YZ250FXのお仕事が増えて、沢山のオーナー様からお話しを伺う限り、「ウーン、前後バランスを最適化する必要があるでしょう」って考えておりました。FXには私も乗った事があるのですが、フラットな路面やちょっとしたギャップ通過は物凄く優しい印象で、ちょっと乗った感じは凄く好印象なのです。所が所有して色々と付き合ってみると、やはり足りない部分が出てくるようですね(^^;
こちらのオーナー様はヤマハ車ばかりを乗り継ぎ続けておられる方なので、お話しを伺うのがとても勉強になりました。そう言った話からFXの弱点や改善点が見えてきたりするのでございます。詳しくは結果が出てからになりますが、今回はショックスプリングを見直しワンオフで制作する事になりました。
ショックを改善して、それでも駄目ならフォークを改善しましょうって事になったんですね。そもそも国内向けのFXのサスペンションのセッティングはフロントの接地感を重視した仕様になっている様で、リアのトラクション(接地感)不足が如実に現れてしまう場面に多々出くわす様です。所がライダーによっては下りでフロントがゴツゴツきて硬いと感じる方も居ますし、登りで失速してしまった時の再スタートが困難とか症状を感じる方も居ます。