97年製のCR125Rのチャンバーです。HONDAがモトクロッサーにアルミフレームを採用した最初期のモデルですね。
性能的な部分をきちんと機能させる為の修正なので見た目はそのままですが綺麗に戻りました。20年以上前のモトクロッサーですがオーナー様はガンガンご使用されているそうです。
あれからもう20年以上経つのかあ~と。時間はまるでジェットコースター♪
YAMAHAの2STエンジンのクロスカントリーモデル YZ250Xのフロントフォークをオーバーホールします。新車から30時間以内の使用時間との事ですので大きな破損や異常はありませんでした。
もちろん全部洗浄して点検して綺麗にしておきます。
同じ30時間以内でも場合によっては凄く消耗してる場合も多々あります。それは使っているシチュエーションだったり乗り方だったり色々と違いますので洗浄点検が重要になってきます。
画像を撮り忘れてしまったのですが、排出したオイルは透明感が残っている物の、キラキラと鉄粉が混じっておりました。新車購入からでも早めのメンテナンスは大切だなあと思いました。
セッティングはメーカー基準位置にセットして完成です(^^)v
NSR250の純正リアショックをオーバーホールします。先ずは分解点検しながら洗浄します。
各部のセッティングを記録しておきました。
先ずはブラッダ。
これは高圧チッソガスが封入されている部品ですが、分解前に確認したところ、ガス圧は0以下でした。更に酷いとマイナスになる事もあります。
つまり負圧です。その場合、スプリングを外すとショックロッドが内部に吸い込まれます。この様な状態ですとリアサスペンションの機能としては破綻しています(+o+)
画像の様に変形している事は度々あります。この場合は新品に交換です。
次にショックロッドを保持しているガイドブッシュです。編摩耗しています。
画像ですとわかり難いのですがコーティングが一部擦り減っています。ロッドが真直ぐに動く様に保持するパーツですのでこのまま再使用するとオイル漏れの原因になりますので交換します。
洗浄点検しつつ磨いたパーツを展開しておきます。何段階にも異常がないか?確認する為です。
意外に思われるかもしれませんが、小さなゴミの混入や些細な変形が性能に多大な影響を与えるリアショックですので何度も確認点検を行います。
そうして組上げた後に、最後の仕上げとなる、オイル充填&エア抜きの工程に入ります。
この工程も非常に重要になります。エア混入の状態ですと減衰が効かない状態になってしまいオーバーホールの意味がなくなります。正確に、品質を安定させる為には特殊な装置を使いませんと成り立ちません。
いつもご愛読ありがとうございますm(__)m
今回はセロー250の足回りのセッティングについて書いてみようと思います。画像はセロー250です。見た目、全然変わってますが(^^;
これはできる限り軽量化した結果です????
セロー250ですがフロントフォークの頼りなさが目立ちます。フォーク側に路面からの大きな入力があった場合にグニャン!ブルブルとハンドルに伝わってきます。
この辺の頼りなさの原因はリアとのバランスも重要になってくるのですがフォーク自体の動きが不安定なのを改善する所から始めましょう。
セローのフロントフォークは非常に原始的なダンパーが入っている為に画像の様なカードリッジエミュレーターを仕込みます。
これが意外と効くんですね。不安定なダンピング特性が安定する効果があります。
組込み自体はそんなに難しくありませんが、きちんと寸法を取ってパーツをカットしたり、着座する様にカラーを製作する必要が出てきます。
ここでも意外に思われるかもしれませんが、イタズラにハードスプリングを入れると逆効果になってしまうんですね。ダンパーが不安定なのにスプリングを強化すれば更に制御が出来なくなってしまうからです。
又、ダンパーオイルを硬い物にするのも実はNGなんです。パッと乗った感じは良くなった様に感じますがオイルの粘度に頼りすぎると熱での変化で結局は不安定なダンパーを根本的に解決できていない為に突然裏切られます。
それからリアショックです。ライダーの体重によってはよりソフトなスプリングを使う必要が出てきますがフロントが強化されていますので前後のバランスは補正されてますので交換はしません。
それともう一つ忘れちゃいけないのが、このセローのリアショックはヘタリ易いです。走行距離1万キロ弱のマシンですが、オイルは真っ黒で役目が終わってます。
定期的なオーバーホールは忘れない様にしたい所ですね。
リア側もやはりポヨンポヨンな動きをする為、コントロールしにくく油断するとトラクションが抜けやすいので、その辺を改善するモディファイを行います。
流石にハイスピードなMX走行やクロスカントリー走行を行うには難がありますが、このモディファイを行う事でトライアル的なコントロールが格段にやり易くなります。
いつもご愛読ありがとうございます。今回はヤマハのWR250Rの足回りについて書いていこうと思います。見た目はモトクロッサー等のレーシングマシンのレプリカに見えますが、やはり公道を走るトレール車としてのセッティングになっております。
オフロードでスポーツ走行を楽しもうとすると色々と足りない部分が出てくるのは否めないと思います。
リアはポヨンポヨンと動き過ぎる反面、フロントはゴツゴツと硬くエンデューロなんかで使うとヒルクライムではトラクションが得にくい為、登り切れなかったりスタックし易かったりと四苦八苦するんですね。
これは、公道を走る為に2人乗りや荷物を積む事を考慮したセッティングですので仕方ないのですが、実はこのWR250Rはセッティング次第で化けます。
マシンの元々の素材が良いので、諦めるのは早合点です。
先ずは問題のリアショック側から。トレール車であるWR250Rは実は、フロントと比べてリアショックのスプリングが強過ぎるセッティングになっています。
動き過ぎる感があるので「え?」と思われるんじゃないかと思いますが、スプリングが強過ぎでショックダンパーのボリュームが不足しているのでフワフワと落ち着かない動きをする訳です。
その部分を見直してエンデューロ走行やスポーツ走行をするのに最適なバランスにショックのセッティングを内部から変更します。
そして車体側のクリアランスにもよりますが、リザーバータンクの容量アップの為にガスキャップを製作して組込むのも効果があります。
アルミから削り出しです。ガス室の容量が向上する事で熱ダレ予防やガス抜け予防になります。
次はフロントフォークです。実はこのリアの動きを受け止める為&アスファルトでのブレーキ時のノーズダイブ防止の為、やたら硬いフォークになってますが、これを解除しつつ各部を見直します。
フォークもスプリングの強さと油量を見直す事で大分良くなります。悪さ(?)をしてるのはリア側ですのでフォークはこの2点を改善する事で大分良くなりますが・・・。
やはりシムスタックもスポーツ走行向けに変更します(笑)。例えばこの辺りはオーナー様の使用目的がしっかりわかると色々と味付けできますのでご用命の際はお伝えください。
更にガンガン攻めたい場合はオイルロックを強化する為のパーツを製作!旋盤とフライスで削り出します。
ここの部分は結構重要です。フォークが物足りないからと言って悪戯にハードスプリングに変更すると硬くなったり動きが悪くなりますし、オイルレベルを上げると曲がらなくなったり、美味しいストローク部分が使いにくくなってしまう事が多いのです。
ですので美味しいストローク部分が使えるままにフォークを強くする為には画像の様な部品を製作して組み込む必要があります。
いつもご愛読ありがとうございます。今回はフロントフォークの定期的なメンテナンスについて、です。
バイクのフロントフォークはサスペンションとしての仕事とフレームの一部としての仕事を担っているので仕事量が多く消耗の激しい部分です。
上の画像が2万キロ走行したロードバイクの廃油で、下の廃油は1年程度使ったオフロードバイクの廃油になります。
既に役目を終えたオイルです(^^;
フロントフォークと言っても様々なタイプが存在するのですがトラブル例をご紹介します。
あまりにもメンテナンス(オーバーホール)を怠ると画像の様に、シムスタック(減衰圧を発生させる重要な部分)にスラッジ(鉄粉)等が挟まってしまい性能を発揮しないばかりか、内部パーツが破損したりします。排出したオイルの汚れが酷い場合は要注意です。
これはDR-ZやCRF等に採用されている分離加圧型フォークカードリッジです。フォーク内部に仕込まれている部分ですので外からは見えないんですが、実は壊れて(?)います。
フォークダンパーのロッドシールが駄目になって内部に負圧が発生していました。つまり…
本来、ロッドは伸びた状態で保持される筈が…
ロッドが縮んでしまいます(+o+)
こうなっているフォークもよく見かけます。症状としては、フォークの動きが悪くなってしまう為、ゴツゴツしたり突っ張った感じがする様になっていきます。
逆なんじゃないの?って思うかもしれませんが、サスペンションは伸びるのも重要な仕事で、路面追従性が悪くなってくるとゴツゴツ感やツッパリ感が出てきます。
こうなるとカードリッジダンパーのオーバーホールも必要になってきます。長期間使用されたマシンは要注意です。
それと忘れちゃいけない重要な部分。ステアリングステムの状態は勿論、フォークを車体へ組み付ける手順もフォーク自体の動きに影響しますので組み付け方法も正確に行わないといけません。