オーリンズ製のニンジャ用リアショックをオーバーホールしました。新品購入して装着、5年経過との事でしたが、比較的傷みも少なく良好でした。
オーナー様のご希望で再利用できそうなパーツも全部交換しちゃって!との事でしたので交換しました。ちょっと高くなっちゃうんですが、その方が気持ち良いですもんね。
セッティングについても色々とアドバイスさせていただきました。走行フィーリングやスプリングの選定方法など説明させていただきました。
90年代初頭のCR250Rのリアサスペンションをオーバーホールしました。スイングアームやリンクアーム、ショックアブソーバーをひっくるめてリアサスですので全てメンテしました。
古いモデルではありますが、この頃のメーカーの「本気」さを感じますね。小さなパーツ一つ取っても、現代の物よりコスト掛けてるな~って部分がチラホラあるんですよね。
こう言った現代のバイクにおいて省略されてしまっている部分って言うのがアップグレードの参考になったりします。ホントですよ。
ついでと言っては何ですが、オーナー様のご希望でステムのメンテも承りましたので分解しました。グリス切れを起こしてはいた物の錆や打痕はなく、洗浄とグリスアップだけで大丈夫でした。
マシンとの付き合い方と言うのは人それぞれで、最新型を乗り継ぐ方も居ますし、気に行ったマシンに永く乗られる方も居ます。最近思うのですが最新型のレーシングマシン=最高のレーシングマシンとは限らないんじゃないかなーと。
メカニックとして新しい機構には興味があるし乗ってみたいと思うのですが、古い物から学ぶ事も沢山あったりするんです。その時の社会情勢によっても変わってきたりしますよね。
ベトナム戦争時のギブソンやフェンダーは駄目とか、85年~95年位のグレコとかフェンダージャパンは凄く良いよ、とかね。オービルbyギブソンなんてのもありましたが。
素材として料理するにしても素性の良いマシンであれば比較的簡単ですが、現代のあまりにも省略されたマシンは残念ながらユニット毎交換してからリセッティング・・・みたいな?半疑問形~。
例えばMD30のXR250は空冷エンジンで鉄フレームです。では、アルミフレームで水冷エンジンのWR250RはMD30より乗り易いでしょうか?例えばさらに古いME06と比較したら???
吊るしのままではMD30にも問題点は沢山あるんですが、手を入れる箇所が比較的少なくて本領を発揮できる部分ではMD30に軍配が上がります。空冷の軽さ、それに余る足回りの素性の良さがオフロード走行では楽しく走れたりするんです。実はアルミフレームの方が重かったりするんですよ。水冷エンジンの方が重量増しな部分もある訳です。
何もWRが駄目と言っている訳ではなく、進化とは何か?ってのが社会情勢で進化の意味が変化してしまうって所に付き合わねばならないって部分で、それがチューニングやカスタムの難題になっちゃってるんです。難しいよね~真実を求めるってのは。
ユーザーの方々はそれが今の正しい答えなのだと常に押しつけられているのが現状なのであります。
要らない物が多すぎる~♪要らない物が多すぎる~♪
真実の上に成り立つ本当のバイクに乗っていたい。ただそれだけなんです。
毎度ご愛読ありがとうございます。今回はKTMやフサベルなどのモトクロッサーやエンデューロマシンに採用されていたWP製クローズドカードリッジについてです。
オーナー様曰く「数か月前にオーバーホールしたんだけどまた漏れてきちゃったよ、とほほほほ~」との事で点検してみました。アウター側のオイルを排出してみた所、あれ?なんか油量が多くない?…変だなーと思いカードリッジのチェックバルブを点検してみると、ほんの少しストロークさせただけでオイルがダラダラと出てきてしまいます。
これはあれだなー。そう、アレです。
実はブラッダ式のフォークダンパーはきちんと工程を踏み、正確にエア抜きしませんとブラッダ(ガス袋)の変形率が不安定になり・・・・永くなるので割愛しますが、とにかくきちんとエア抜きできていないとこうなります!(^-^;
カードリッジのチェックバルブからオイルが必要以上に排出され続けてアウター側に流れ続けた事でオイル漏れを発生させた様です。
兎に角!他にも原因があるやもしれませんので、カードリッジは分解して点検・・・なのですがロッドの動きがおかしいのです。途中で引っかかるの外してみると…シリンダパイプの一部が変形していました((+_+))
恐らくなんですが、無理にバイス等で固定して分解した様な痕がありました。仕方がないのでホーニングしてなるべく引っかからない様にしましたが、本来は交換が必要な状態でした…。
舶来品のWPですから、大物パーツはやはり高価なので、ノウハウの豊富なプロショップへ依頼された方が良いと思います(^-^;
きちんとエア抜きができて、ブラッダを正しい形状にできたならば、ダンパーロッドを押し込んでも殆どオイルは出てこないのです。出るとしてもフルストロークさせてちょっと出るかな?程度です。
国産クローズドフォークのスプリング式と違って、この辺りのノウハウが無いとセッティングが難しくなります。しかしながらセッティングがばっちり行くと安定した性能を高次元で発揮してくれるフォークだと思います。
実は自分の250EXCにはWPのクローズドフォークを使ってます。4CSも良いんですが、挙動がクローズドフォークの方が長時間一定でコントロールし易いと感じます。勿論フォークダンパーのエア抜きが完全である事が前提ですが。
4CSのエア抜きもコツが要りますね。ただ、こっちはエア混入しても自動的にエアを排出してくれる機能が備わっているんですが、メンテを怠ると他の部分が悪さをして動きが一定じゃ無くなる気がします。
いつもご愛読ありがとうございます。RM85のリアショックをリバルビング&オーバーホールします。オーナー様はモタードで使用しているそうで、ダンパーボリュームの不足を感じていました。
ミニモトクロッサーでモタードを楽しまれている方は多いと思います。勿論フルサイズモトクロッサーも同じですが、先ずはスプリングの強化が常套手段になると思います。しかしながら、モタードで最適なハードスプリングを装着すると、ダンパーのボリュームが不足してしまいます。
本来ベストな状態にするには色々と手も掛かりますし資金も掛かるんですが…手軽にモタードで遊ぶにはスプリング強化&ダンパーボリュームの見直しは必須かな?と思います。
オフロード走行では必要な部分がモタード走行では邪魔になる部分を排しながらダンパーボリュームを見直すバルビングにして組上げました。ガス抜けや各部の劣化も確認できましたのでオーバーホールしただけでも劇的に良くなるのですが、リバルブでそれ以上の効果を発揮します。
ホンダのTLR200のリアショックです。トライアルバイクですが、経年劣化やロッドに錆が発生し、オイルが漏れています。とても古いモデルですがオーバーホール可能と判断し、分解して錆びてしまったロッドは再メッキに出します。
メッキ屋さんからロッドが戻ってきました。精密なメッキが施され、綺麗に再生されております。装飾の為のメッキではない機能する為のメッキ・・・美しいですね。
ガスの注入口が無いので新たに設置しました。古いショックですので現在の物と構造が違っていて興味深いです。オリフィスをシムの積層で制御するのではなく小さなコイルスプリングで制御していたり・・・この辺りは古いWPショックなんかも同じだったりします。
今ではシムスタック式がスタンダードですが、モデルによっては今でも古いシステムのままのショックやフォークも使われています。
只今、KTMジャパンでは「俺のKTM」と言うキャンペーンを実施しています。新車の購入で色々とパワーパーツやウェアがもらえるそうです。
今回はフリーライドを購入され、-25㎜のローキットを組込むと言った内容ですね。キットになっていますので採寸したり計算しなくていいので楽です。
EXCシリーズにも-50㎜のローキットがパワーパーツから出ていますね。キットの寸法でOKならオンオフでスプリングやスペーサーを制作したりしなくて済むので安価にローダウンできます。
ローダウン対応のサイドスタンドまで付属してきますしスマートにローダウンできます。
今回は新車ですのでキットの組込みとオイルとシールのみ交換して完成させました。それとオーナーさんのご希望で前後共にソフトスプリングを組込みました。
フリーライドのリアスプリングはダブルレートの物とシングルの物が選択できます。乗り味にかなり影響する部分です。メーカーの方で、両方の設定があると言うのは興味深いですね。
以前からCRF150Rのフロントフォークの底付きやピッチングの激しさについてはお問合せを沢山お受けしてきたのですが、樹脂製のスプリングガイドを兼ねたボトムアウトバンパーでは踏ん張りがイマイチで、痛い所にフロントが落ちるとスコーンと入ってカッコーンと不快なボトムをするんですよね。
綺麗に整地されたコースであればあまり気にならないんですが、レースで路面が荒れてきたり、エンデューロの様なガレ場ですとピッチングの激しさが気になり出します。
ですので、CRF150RやCR85、RM85のフロントフォークに装着可能なチューンUPパーツを制作しました。
リバルビングやスプリング強化、オイルレベルの変更などで底付きを改善しようとしても中々上手い事いかないんです・・・(;^ω^)
底付きの事を重要視してスプリングを強くしたり、オイルレベルを上げたり、コンプレッションのノッチを閉め込んでいくと、フラット路面での接地感や旋回性が犠牲になってしまうのです。又、スプリングを強くすると荒れた所ではピッチングは逆に悪化する場合もあります。
そこで、フラット路面での接地感や旋回性を犠牲にする事無く、底付きせずピッチングを抑える様に、フロントフォークに足りない機能を追加する為のパーツを制作して解決するのが正しいチューニングになる訳です。
国産ミニモトクロッサーはフルサイズモトクロッサーと比べて機能が省略された造りになっています。ココがライダーを悩ませている部分であります。であれば、その省略された部分を補ってあげれば良いのです。
今回頭を悩ませたのが、純正セッティングの良い部分を残しつつフルボトムせず安心して攻める事の出来る寸法をどうやって導き出すのか?って部分です。
メーカーはコストダウンの為に省略して市販車を販売していますので複雑な形状になってしまう部分やパーツ点数が多くなってしまう部分は省略して販売してるのは皆さんご承知の通りだと思います。
その省略された部品を制作して装着できれば最高のパフォーマンスを発揮できるのですが・・・問題は寸法ですよね。
色々とテストして導き出す事も必要になってきます。正しい寸法を導きだすには手間が掛かりますが、ミニモトで良い足回りを手に入れたいライダーの方は是非味わって頂ければと考えております。
エンデューロでミニモトを使っている場合にもテキメンに効くと思います。グアッと下らされる急斜面やガレ場でもピッチングが少なくなって、ズコと入って前に放り投げだされる様な事になり難くなりますしね。
取付にはスプリングガイドの加工や、カードリッジに旋盤で小加工が必要になります。
スプリング強化やオイルレベル変更で難とか底付きを軽減したけど、イマイチだと感じている方は是非お試しいただきたいです。
アンチボトミングシステムのカードリッジへの組込み⇒パーツ&組込み費用一式35,000円(税別)です。フォーク分解オーバーホール費用は別途かかります。
本日はミニモトのリアショックについてです。CRF150RやKX85、RM85やYZ85のリアショックはフルサイズモトクロッサーと比べて、ショック自体の容量が小さいのは勿論なのですが、リザーバータンクの容量も小さいです。
体積の小さな所に、高圧ガスが充填されていますのでちょっとでも抜けると一気に圧が低下します。そこでリザーバタンクの容量を上げちゃおうと言う選択肢が出てきます。
そこでリザーバタンクのキャップを拡大し体積を上げる方法があるのでございます。まあ、ファクトリーマシンを見てもらえば分かると思うんですが、普通に採用されている物ですしね。
リザーバタンク容量アップには他にも、体積が大きくなる事で熱変化の低減や、タイヤのエアボリュームを上げた時の様にダイレクト感が低減されマイルドな印象になります。ガス室の変形率が上がるのでストローク量も少しだけ伸ばしまして組上げました。
フレームやエキゾーストパイプ等とのレイアウト的な制限がありますが、寸法ギリギリまで拡大します。
装着した画像です。EXパイプから5㎜以上は離しておきたい所です。フルサイズモトクロッサーがこんな感じですよね。キャップの肉厚も1㎜を確保し強度や耐久性も確認します。今回は計算上40%の容量アップです。かなり拡大しました。
分かり易くする為にもやり過ぎな位の容量アップです^m^
次回はフロントフォーク編でございます。
リザーバタンク容量UP&ストローク量変更⇒15,000円(税別)ショック分解オーバーホール費用は別途かかります。
スズキのRF900用Ohlins Shockです。ボトムアウトバンパーが砕けオイルが漏れてしまっております。国産サスペンションメーカーと違い、シール性を犠牲にしつつフリクションロスが低くしているので、漏れやすいと言えば漏れやすいと思います。
しかしながら国産メーカーの物は、漏れにくい故にメンテを怠りがちになる事が多いと思います。フロントフォークも同じですが漏れていなければOKと言う訳ではないのです。
ある意味、ガス抜けしたりヘタるとオイルが漏れてくるオーリンズ等のスポーツショックはメンテナンスの時期を教えてくれるのだと思います。