「サスペンション」カテゴリーアーカイブ

KTM 250SX-F WP 4CSフォーク

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
アウターチューブをコーティング
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
各部改修リバルブ

2015年モデルの250SX-Fに採用しているWP製の4CSフォークを改修しました。2013年から2016年のUSモデルまで採用された4CSですが実は3回程変更が加わってます。SXモデルに限って言えばもっと採用期間短かったですね(^^;

オーナーさん曰くゴツゴツしてショック吸収性がイマイチとの事で一度試乗させていただいたんですね。確かにゴツゴツしているんですが単純に硬くてゴツゴツしてる訳ではなくストローク奥側まで常に入ってしまっている感じです。それと気になったのがリア側に負けて、フォークが常に叩かれている感じもしました。

荒れたストレートでアクセルを開けると、ウォブリングも酷い…。前後バランスが狂っているのか?フォークが完全にリアに負けている症状です。

15年モデルのEXC-Sixday`sモデルはそんな事は無くしなやかさの中に強さが在って良い感じなんですが、これは一体!?

実は2015年のファクトリーエディションに採用された4CSの時から気になっていたんですが、ストロークが8㎜程度多くなっている代わりにハイドロストップが省略されプレッシャタンクの容量と強さが向上。更に油面やスプリングが強化されていました。

これが謎で、コイルスプリングとエアスプリング、プレッシャタンクで奥側の踏ん張りを持たせるって事なんでしょうけど、このセッティングだとある一定の力が加わった時に確実に底付きしないか?それともこれで正解なのか?じゃあエンデューロモデルに採用されているオイルロック機能は何なの???

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
色々組み合わせて
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ED用とSX用の4CS比べ

海外のサスチューニングメーカーもこの部分の改善パーツを色々と出している様ですし、この部分が肝になる事は間違いなさそうなんですが、オイルロックを強化すると他の部分、コイルスプリングやエアスプリング、バルビングはより動く方向にもっていかなければ別の種の硬さが出てしまうはずなんですね。

ここに頭を悩ませました。それと気になるのはリアとのバランスです。それはこのゴツゴツ感がフロントが原因ではなく、リアがフロントに対して強すぎる可能性も捨てきれないと言う乗った時の印象なんですよね(方向性としてはFを強化する事自体は間違っていない筈なんですが)(^-^;

KTMの17モデルのエンデューロマシンに採用したNEW FORKや16からモトクロッサーにAER48を採用した経緯から4CSフォークの可能性にメーカーが終止符を打った感が否めない印象を今回持ちました。

しかーし!4CSの良い所は各部分のパーツを選択して色々とセッティングを変更する事ができる所なんですよ。部品点数が多くコストは掛かるフォークだと思いますが設計思想としては秀逸なフォークだと思います。個人的には採用し続けて欲しかったですね。

フォークを完成させて車両のある町田のバイク屋さん「フロンティア」さんの方で取付が完了したとの事で様子を見に伺いました。

僕「どうですかね?」

「初期の動きが良くなったせいかフロアの上でブレーキ掛けても滑らなくなったよ。いつもはフロントブレーキ掛けると滑って怖いんだけどさー」

僕「一先ず初期動作はOKそうですね。後は実際に走らせて奥側の踏ん張りが強化されていれば完璧なんですが。それとリアとのバランスも確認したい所です」

「これどうやったの?」

僕「それはですね、カクカク云々・・・」

と長話をして帰りました。お仕事中ご迷惑をお掛けしましたm(__)m

CRF150Rのリバルビングについて

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
フォークリバルブ
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ショックリバルブ

いつもご愛読ありがとうございます。本日はCRF150Rのサスペンションチューンについてです。

他社様で底付きしない様にリバルビングを施したそうなのですが、硬すぎて接地感や衝撃吸収性が無くなってしまったそうです。

リバルブと一口で言っても様々な手法がありますし、シムスタックの受け持っている仕事はあくまでも減衰圧の立ち上がり方なので、その部分(リバルブ)やオイルレベルだけで底付きしない様にもっていきますと今回の様な事になるパターンが多いと思います(路面追従性が低下してしまう)。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
オイルロック機能追加の図

CRF150Rの弱点其の壱…フォークに関しては画像の様なパーツを追加する必要があります(画像は前にも使った物です)。今回はオーナー様のご希望で取付はしておりませんが、150Rのフォークにはこのパーツが省略されていますので底付きからは逃れられないのです。(パーツ製作取り付け費用¥35,000税別)

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ショック廃油

CRF150Rの弱点其の弐…又、リアショックのボディはアルミの無垢ですので摩擦抵抗が大きく追従性が悪いだけでなく、発熱やオイル劣化、ガス抜けが起こり易いです。画像は今回の物ですが、1シーズンも使うとこの様に真っ黒です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
カシマコート&リザーバタンク容量アップ

この画像は弊社のサンプル車の物なんですが、ショックボディにカシマコートを施し、リザーバタンクの容量を向上させています。路面追従性が向上し安定した性能を長時間発揮できる様になっております。

カシマコートはアルミにしかコーティングできませんが、ショックロッドやインナーチューブに施すDLCやチタンコートと比べ安価ですし、接地面積が広い部分ですので効果も分かり易くお勧めです。

ショックボディSTDカシマコート1本¥10,000(税別)

リザーバタンク容量アップ部品制作費用¥8,000~(税別)

 

XR250Rのフロントフォーク

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
フォーク着脱
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
フォーク分解洗浄

前回から引き続き、今回はフロントフォークをオーバーホールしました。オートバイのサスペンションはシーソーの様に前後の動きが互いに影響しあっていますので前後同時にオーバーホールがお勧めです。一番おいしい所を味わえますから。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
廃フォークオイル
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
組立完成

リアショック同様、排出したフォークオイルは役割を終えた状態でした。燃え尽きたよ…と声が聞こえてきそうです。リバウンド側のピストンが緩んでいる程度で、大きな異常はありませんでした。

このフォークダンパーですが、分解しないと中々オイルが出てきてくれないんですよね(^^;

劣化したオイルが残らない様にするには全分解が必須になります。

XR250Rのリアサス

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
車体からの取外し
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
分解洗浄

XR250R(ME06)のリアショックをオーバーホールしました。サスの動きがポンポン跳ねて乗り難いとの事で点検しながら分解していきます。

ガス圧はほぼゼロまで低下し、オイルは抜けてはいないものの役割を終えた状態でした。大分前のモデルですが今回が初オーバーホールの様です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
組立
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
オイル充填エア抜き

オイルや消耗パーツの劣化はありましたが、シリンダーの編摩耗などの致命的なダメージは無く比較的良好な状態です。オーバーホールで本来の性能を取り戻せました。

XRだけではありませんが、シリンダーがアルミ無垢の場合、メンテを怠るとシリンダが偏摩耗したりします。対策としては小まめにオーバーホールやオイル交換を実施したり、シリンダーにカシマコートが効果的です。

フォークカードリッジの修理

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ダンパー抜け

2004年モデルのCRF250Rのフロントフォークを修理しました。オーナー様のお話しを伺うと、どうやらダンパーが殆ど効いていないご様子。さっそく分解してみると、片側のフォークダンパーが完全に抜けていました(^^;

本来ならばフォークカードリッジのピストンロッドは押し込むと戻ってくるのですが、全く戻りません。手ごたえも無くオイルが完全に抜けてしまっていました。10年以上経過したモデルですので仕方がないと思います。本来は非分解指定の部分ですし。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ダンパー修理

反対側のフォークダンパーもエア噛み気味でしたのでオーナー様と相談の上、左右とも修理する事になりました。反対側も時間の問題だろうと判断しました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
フォークダンパーシール

分解してみますと、フォークダンパ上側のロッドシールが錆でグチャグチャになってました。この部分、ドライ状態になり易い部分なのでメンテを怠ると逝っちゃってる事をよく見受けます。

メーカーも苦労していたみたいで、この年式の前後の分離加圧型フォークはこの部分の形状変更を何回も行っています。場合によっては1シーズン持たずに壊れる事も当時ありましたね~(;^ω^)

こんなに壊れるんなら非分解指定にしなければいいのに…と感じます。国産メーカーは内容を知られたくない様で非分解指定にする事がよくあります。

ですが…生み出した物はうん〇みたいなものしょ?明日はもっと良いアイディアが生み出せるとしたら隠す必要なんかは皆無だし、過去の物を真似したって仕方がないじゃん。結局、う〇こみたいな物を守ろうと分解できぬ様にカシメてみたって、アッセンブリ交換前提で部品供給しなくたって、嫌らしい自分をさらけ出すだけだよね。ユーザー視点でみれば迷惑この上ないよ?

形だけ、アイディアだけ、くだらないモノを隠したって駄目でしょ?もしくは駄目な部分を隠したいのか?さらけ出す事で、批判されることで成長する事もあるよね。

正々堂々やってれば面倒臭い事は要らないんじゃないかと思っちゃうのよね~♪

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

とかなんとかグダを巻いているうちに完成しました(*´Д`)

CBR600RRのフロントフォーク

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
オイル漏れ修理、兼オーバーホール
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
廃油

いつもご愛読ありがとうございます。本日はホンダのCBR600RRのフロントフォークをオーバーホールしました。オイル漏れを起こしている状態です。

オイルを排出してみると…デロデロでした(^^;

せっかくのSS車もこれでは性能半減です。カードリッジ内部も全て分解洗浄して点検します。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
完成

今回は何も異常なくスムーズに作業が進みました。酷い場合ですと各オリフィスが詰まっていたり、シムスタックが開きっぱなしになって減衰が効かない状態に陥っている事もあります。

KTM 350EXC-Fの4CSフォーク修理

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
カードリッジ各部点検
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
インナーアウターチューブ点検

KTMのEDシックスデイズモデルやUS仕様のSXモデルに採用されているWP 4CS フォークをオイル漏れの為、修理しました。かなり凝った造りをしています。しなやかに動きダンピング特性も秀逸で良いフォークだと思います。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ハイドロストップ点検
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
リザーバータンク点検

複雑な構造が故、メンテサイクルは守らないと鬼門部分が駄目になっている事も多いんじゃないかなーと感じます(画像の部分が特に鬼門部分になります)。

シール類の部品点数も多く、この辺りをキチンとしておかないと性能維持できません。構造が複雑で高性能なユニットな程、きちんとメンテナンスする必要が出てきます。

XR250R(ME06)のリアショック

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
分解洗浄点検
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ロッド再生

XR250R(ME06)のリアショックをオーバーホールしました。古いモデルと言う事もあり、ロッドは再メッキが必要な状態でした。専門のメッキ屋さんに頼んで再生してもらいました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

今回、シリンダー側に偏摩耗が見られました。古いモデルですのでシリンダーのパーツ供給は終わっていますので致し方ない状況です。

できる限り本来の性能を取り戻せるように組上げて完成させました。

2006年式のWR250Fのリアショック

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
分解洗浄
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
完成

2006年式のヤマハ WR250Fのリアショックをオーバーホールしました。06ですが、どうやら初オーバーホールみたいでした。冷静に考えてみると現在は2016年ですから10年以上経っているんですよね。

WRはレーサーマシンですのでダンパー主体のサスユニットです。1シーズン(1年)でヘタリ始めます。これは走破性が高いが故なので仕方ない事なんです。