ヤマハのWR250R 純正リアショックをオーバーホールします。
YAMAHAの公道用バイクにはヤマハハイドロリック(創輝)製のサスペンションユニットが採用されております。
KAYABA/SHOWA等の国産サスペンションメーカーとは違い分解組立方法が独特だったりエア抜きが難しかったり・・・
そんなこんなで完成ですぅ~。
2010年モデルのCRF150RⅡのリアショックです。初の分解の様でガスは抜け切り、オイルは真っ黒になっていました。
オーナー様曰く、ダンパーが全然効いていないとの事ですが、8年近くメンテナンスしていませんとダンパーは完全にその機能を失います。
その上、BBRの強化スプリングが装着されているとなると、制御不能になります。
ダンパーがヘタっているのに強いスプリングを装着しているという事は・・・制不能状態のダンパーに固有振動(暴れる力)の大きなスプリングを装着している事になりますので負のスパイラルに陥ります(^^;
今回はオーバーホールは勿論、BBRの強化スプリングに合わせてダンパーボリュームを見直し、ショックボディはカシマコートを施しました。
社外品の強化スプリングを用いる場合、スタンダード状態のダンパー側とのバランスが崩れます。特に150RのダンパーボリュームはSTD状態でもギリギリなので、社外スプリングを用いた場合、リバルビングは必須項目だと思います。
メーカー指定のハードスプリングでギリギリって感じですので、それ以上強いスプリングを使うとなれば・・・(+o+)
そしてショックボディへのカシマコートですが、アルミ無垢のボディには効果テキメンです。
フリクションロスが大幅に低減されるので路面追従性が向上して、発熱量が抑えられますので、性能向上&耐久性向上の恩恵を受けられます。
一石二鳥とはこの事か!お勧めです。
私事ですが、自分のマシンには必ずフォークショック共にカシマします。
リークテストを行い、スプリングをセットして完成です(^^)/
ヤマハ製オーリンズのリアショックをオーバーホール(修理)します。片側はオイル漏れを起こしていました。
ロッドに傷が付いている事が多々ありますので必ずロッドを研磨して組込みます。旋盤で掴んで回しながら研磨します。この工程で錆の有無や大き目な傷の有無を確認します。
この工程はほぼ全てのショックに対して行っています。ロッドにチタンコートやDLCがかかっている場合は行えません。つまりロッドに対するコーティングは、それらを多少犠牲にしてでもフリクションロスを減らして路面追従性を向上させる為に行う物なのですね。
STDのショックロッドやフォークインナーは何故メッキ処理なのか?
硬度と潤滑性のバランスが良く問題が起きにくいから。という所だと感じます。路面追従性を徹底的に求めるのであればDLCやチタンコートが上ですが。
パッと見の感覚としてはツルツルの状態の方が良いと思われがちですが、オイル漏れに関してはそうとは言えません。適度な凸凹が油膜を保持しシールのリップ部分を正常に作動させるのであります(”◇”)ゞ
エンジンのシリンダーにクロスハッチが付いているのを想像して頂けると分かり易いんじゃないかなあと思います。
はい。
各部洗浄して点検交換組立に移ります。
完成しました。
梱包してオーナー様の元へ送り返します(^O^)/
突然、衝撃的な画像ですいません(^^;
久々にヘドロ状態のショックオイルでしたのでつい・・・。
ブラッダ(ガス袋)の周りには得体のしれないブツブツした物体がへばり付いておりました。
きっとエイリアンの卵じゃないかと思うので、研究所へ持って行きました(?)。地球の侵略を目論むエイリアン達は人間に気付かれない間に卵を産み付けているに違いない(; ・`д・´)
20年以上の月日が経っているモデルですので、その間に人類の隙をみて・・・。
いや、これはデーモン族の仕業か!?人間は駆逐されてしまうのでしょうか?
と、冗談はその位にして愈々仕上げに入りまーす(^O^)/
綺麗なオイルを充填させつつエア抜きを行っている画像です。
20年以上頑張ったリアショックを労いながら丁寧に行いました!
今回、アッパーベアリングも動作不良を起こしていましたので一式交換しました。これでまた暫くは快適に乗って頂けると思います。