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CRF150RⅡ サスペンションのセッティング調整

いつもご愛読ありがとうございます。今回はホンダのCRF150Rのサスペンションについて、です。このCRF150RはCR85Rをベースに4STエンジンが搭載された初のミニモトクロッサーになります。車体を観察しますと開発に苦労の跡が多く見られます。

妥協点を感じさせる部分もしばしば。

2007年当時、色々と苦情(?)を聞かされた記憶があります(笑)。サスは底付くし…酷いとスイングアームが折れたり…なんてこともありましたね。

2ST85㏄から4ST150㏄になった事で、車重増加や単気筒4STエンジン特有のピッチングの激しさが原因でライダーを悩ませておりました。それでも当時は2STはもう古い!これからは4STの時代だ!なんて皆思っておりましたしミニモトブームだった事も重なり、ちょっとした150Rは人気車種の地位を築いたのでごぜーやす。

サスの『リバルビング』と言う言葉が一般的になったのもこのCRF150Rの影響が大きかったんじゃないかな?と思います。メーカーの出した妥協点が素人にもバレてしまう程の品質だったとも言えますが…。

エンジンは物凄く良かったんですが…コストダウンのしわ寄せを全部サスに押し付けたんじゃない?なんて私は当時感じたものです。

そうなるとチューニング屋さんの出番になる訳です。正にブームになりましたね(笑)。

先ずは兎に角、軽量化です。正攻法。コストダウンの為の鋳鉄パーツを軽い物に変え、遠心力の強く出る部分は特に軽くして、その上で更に足りない(省略された)機能を追加するという方法。基本です。

バネ下の軽量化が如何に大切か?それはサスペンションの存在理由を理解できれば簡単にわかるかと。

所が我流の俄チューナー達の訳の分からない噂も飛び交いまくりましたね(苦笑)。ブームが起きると冷静さを失うのが市場ってもんなのでしょうね。今思い出すと笑っちゃうんですが。

私も色々と勉強させられた感慨深いモデルです。最初から答えが分かっていた訳ではないので偉そうな事は言えません。ですが基本が重要なのだと再確認させられたモデルです。

ブームは沈静化したものの、今でも根本的に改善されたモデルチェンジは行われていないようですので悩まれてるライダーもいらっしゃると思います。

サスペンションの不具合は元より、大の大人が子供用に作られたミニモトに乗って本気で攻める!と言ったブームでしたので 極端にポジションを変更する訳です。あれからもう10年以上経ったのかよ-!

ですのでポジション(ハンドル位置やシート高、ステップ位置)がハンドリングに与える影響の勉強にもなりました。頭では勉強して知っていた筈の知識だったのですが…。

具体的例で言えば、体格に合わせてハンドルの『幅』『高さ』『ポスト位置』を変更しますと、フロントサスペンションから腕に伝わる力が大きくなったり小さくなったりする訳です。逆もしかりです。

シートの形状もライディングに大きく影響するって事も身に染みて理解させられました。

何か備忘録になってしまいましたが本当に勉強させられたモデルだったんですよ。

多くの方々に愛されたバイクってのは実は駄目なバイクだったりするんじゃないかな?とか思ったり。そんなマシン(メーカー供給品)をどうにかしようとするライダー(ユーザー)との『歩み寄り』が『バイクを楽しむ』醍醐味なんじゃねーか?と思う今日この頃でございやす。

実はこのデモ車のCRF150RⅡを大放出します!150Rの弱点を改善するチューンが施されております。

販売価格や詳細は…興味のある方はご連絡下さい。

Sold Out!

 

 

 

チャンバーの修正

97年製のCR125Rのチャンバーです。HONDAがモトクロッサーにアルミフレームを採用した最初期のモデルですね。

性能的な部分をきちんと機能させる為の修正なので見た目はそのままですが綺麗に戻りました。20年以上前のモトクロッサーですがオーナー様はガンガンご使用されているそうです。

あれからもう20年以上経つのかあ~と。時間はまるでジェットコースター♪

YZ250Xのフロントフォーク オーバーホール

YAMAHAの2STエンジンのクロスカントリーモデル YZ250Xのフロントフォークをオーバーホールします。新車から30時間以内の使用時間との事ですので大きな破損や異常はありませんでした。

もちろん全部洗浄して点検して綺麗にしておきます。

同じ30時間以内でも場合によっては凄く消耗してる場合も多々あります。それは使っているシチュエーションだったり乗り方だったり色々と違いますので洗浄点検が重要になってきます。

画像を撮り忘れてしまったのですが、排出したオイルは透明感が残っている物の、キラキラと鉄粉が混じっておりました。新車購入からでも早めのメンテナンスは大切だなあと思いました。

セッティングはメーカー基準位置にセットして完成です(^^)v

YZ250Xのリアサス リアショックをオーバーホール

ヤマハのYZ250Xのサスペンションをオーバーホールします。先ずはリアショックから。

17年モデル(正確には16モデル継続なので16?)と言う事もあって使用時間は30時間以内なのですが意外とヘタるもので、ガス圧は30%程低下していました。

意外に思われるかもしれませんが、馴らし走行後はサスペンションオイルも交換した方が良いです。必ず初期の当りが出て汚れますから。

特にフロントフォークはビックリするほど汚れてる場合が多いです。

今回は大した消耗も無くゴムパーツのみ全て交換しました。フォークのいインナーチューブと同じく、ショックロッドは必ず研磨してから組上げます。

KTM 990super duke スーパーデュークのフロントフォーク オーバーホール

KTMの990スーパーデュークのフロントフォークをオーバーホールしました。09年モデルとの事ですのでヤレてないか?入念にチェックしつつ分解洗浄です。

毎度ではありますがインナーチューブは細かい傷が付きものですので必ず研磨して組込みます。

お客様から特にご指定が無い場合はメーカーの基準値に合わせてセットアップします。

NSR250(MC28)の純正リアショック リアサスのオーバーホール

NSR250の純正リアショックをオーバーホールします。先ずは分解点検しながら洗浄します。

各部のセッティングを記録しておきました。

先ずはブラッダ。

これは高圧チッソガスが封入されている部品ですが、分解前に確認したところ、ガス圧は0以下でした。更に酷いとマイナスになる事もあります。

つまり負圧です。その場合、スプリングを外すとショックロッドが内部に吸い込まれます。この様な状態ですとリアサスペンションの機能としては破綻しています(+o+)

画像の様に変形している事は度々あります。この場合は新品に交換です。

次にショックロッドを保持しているガイドブッシュです。編摩耗しています。

画像ですとわかり難いのですがコーティングが一部擦り減っています。ロッドが真直ぐに動く様に保持するパーツですのでこのまま再使用するとオイル漏れの原因になりますので交換します。

洗浄点検しつつ磨いたパーツを展開しておきます。何段階にも異常がないか?確認する為です。

意外に思われるかもしれませんが、小さなゴミの混入や些細な変形が性能に多大な影響を与えるリアショックですので何度も確認点検を行います。

そうして組上げた後に、最後の仕上げとなる、オイル充填&エア抜きの工程に入ります。

この工程も非常に重要になります。エア混入の状態ですと減衰が効かない状態になってしまいオーバーホールの意味がなくなります。正確に、品質を安定させる為には特殊な装置を使いませんと成り立ちません。

NSR50とNSF100 ノーマルリアショックの修理(オーバーホール)

今回のブログですが、画像を撮り忘れてしまい少ないです(^^;

50㏄の原付バイクだと言うのにフルアジャスタブルのリアショックが採用されていますね!今思えば何とも贅沢な造りです。

因みにこちらのリアショックはNSF100の純正です。基本同じです。

 

YAMAHA セロー250のサスペンション セッティング(調整)について

いつもご愛読ありがとうございますm(__)m

今回はセロー250の足回りのセッティングについて書いてみようと思います。画像はセロー250です。見た目、全然変わってますが(^^;

これはできる限り軽量化した結果です????

セロー250ですがフロントフォークの頼りなさが目立ちます。フォーク側に路面からの大きな入力があった場合にグニャン!ブルブルとハンドルに伝わってきます。

この辺の頼りなさの原因はリアとのバランスも重要になってくるのですがフォーク自体の動きが不安定なのを改善する所から始めましょう。

セローのフロントフォークは非常に原始的なダンパーが入っている為に画像の様なカードリッジエミュレーターを仕込みます。

これが意外と効くんですね。不安定なダンピング特性が安定する効果があります。

組込み自体はそんなに難しくありませんが、きちんと寸法を取ってパーツをカットしたり、着座する様にカラーを製作する必要が出てきます。

ここでも意外に思われるかもしれませんが、イタズラにハードスプリングを入れると逆効果になってしまうんですね。ダンパーが不安定なのにスプリングを強化すれば更に制御が出来なくなってしまうからです。

又、ダンパーオイルを硬い物にするのも実はNGなんです。パッと乗った感じは良くなった様に感じますがオイルの粘度に頼りすぎると熱での変化で結局は不安定なダンパーを根本的に解決できていない為に突然裏切られます。

それからリアショックです。ライダーの体重によってはよりソフトなスプリングを使う必要が出てきますがフロントが強化されていますので前後のバランスは補正されてますので交換はしません。

それともう一つ忘れちゃいけないのが、このセローのリアショックはヘタリ易いです。走行距離1万キロ弱のマシンですが、オイルは真っ黒で役目が終わってます。

定期的なオーバーホールは忘れない様にしたい所ですね。

リア側もやはりポヨンポヨンな動きをする為、コントロールしにくく油断するとトラクションが抜けやすいので、その辺を改善するモディファイを行います。

流石にハイスピードなMX走行やクロスカントリー走行を行うには難がありますが、このモディファイを行う事でトライアル的なコントロールが格段にやり易くなります。

 

 

YAMAHA WR250Rのサスペンションのセッティング(調整)

いつもご愛読ありがとうございます。今回はヤマハのWR250Rの足回りについて書いていこうと思います。見た目はモトクロッサー等のレーシングマシンのレプリカに見えますが、やはり公道を走るトレール車としてのセッティングになっております。

オフロードでスポーツ走行を楽しもうとすると色々と足りない部分が出てくるのは否めないと思います。

リアはポヨンポヨンと動き過ぎる反面、フロントはゴツゴツと硬くエンデューロなんかで使うとヒルクライムではトラクションが得にくい為、登り切れなかったりスタックし易かったりと四苦八苦するんですね。

これは、公道を走る為に2人乗りや荷物を積む事を考慮したセッティングですので仕方ないのですが、実はこのWR250Rはセッティング次第で化けます。

マシンの元々の素材が良いので、諦めるのは早合点です。

先ずは問題のリアショック側から。トレール車であるWR250Rは実は、フロントと比べてリアショックのスプリングが強過ぎるセッティングになっています。

動き過ぎる感があるので「え?」と思われるんじゃないかと思いますが、スプリングが強過ぎでショックダンパーのボリュームが不足しているのでフワフワと落ち着かない動きをする訳です。

その部分を見直してエンデューロ走行やスポーツ走行をするのに最適なバランスにショックのセッティングを内部から変更します。

そして車体側のクリアランスにもよりますが、リザーバータンクの容量アップの為にガスキャップを製作して組込むのも効果があります。

アルミから削り出しです。ガス室の容量が向上する事で熱ダレ予防やガス抜け予防になります。

次はフロントフォークです。実はこのリアの動きを受け止める為&アスファルトでのブレーキ時のノーズダイブ防止の為、やたら硬いフォークになってますが、これを解除しつつ各部を見直します。

フォークもスプリングの強さと油量を見直す事で大分良くなります。悪さ(?)をしてるのはリア側ですのでフォークはこの2点を改善する事で大分良くなりますが・・・。

やはりシムスタックもスポーツ走行向けに変更します(笑)。例えばこの辺りはオーナー様の使用目的がしっかりわかると色々と味付けできますのでご用命の際はお伝えください。

更にガンガン攻めたい場合はオイルロックを強化する為のパーツを製作!旋盤とフライスで削り出します。

ここの部分は結構重要です。フォークが物足りないからと言って悪戯にハードスプリングに変更すると硬くなったり動きが悪くなりますし、オイルレベルを上げると曲がらなくなったり、美味しいストローク部分が使いにくくなってしまう事が多いのです。

ですので美味しいストローク部分が使えるままにフォークを強くする為には画像の様な部品を製作して組み込む必要があります。