「メンテナンス」カテゴリーアーカイブ

YAMAHA WR250Rのサスペンションのセッティング(調整)

いつもご愛読ありがとうございます。今回はヤマハのWR250Rの足回りについて書いていこうと思います。見た目はモトクロッサー等のレーシングマシンのレプリカに見えますが、やはり公道を走るトレール車としてのセッティングになっております。

オフロードでスポーツ走行を楽しもうとすると色々と足りない部分が出てくるのは否めないと思います。

リアはポヨンポヨンと動き過ぎる反面、フロントはゴツゴツと硬くエンデューロなんかで使うとヒルクライムではトラクションが得にくい為、登り切れなかったりスタックし易かったりと四苦八苦するんですね。

これは、公道を走る為に2人乗りや荷物を積む事を考慮したセッティングですので仕方ないのですが、実はこのWR250Rはセッティング次第で化けます。

マシンの元々の素材が良いので、諦めるのは早合点です。

先ずは問題のリアショック側から。トレール車であるWR250Rは実は、フロントと比べてリアショックのスプリングが強過ぎるセッティングになっています。

動き過ぎる感があるので「え?」と思われるんじゃないかと思いますが、スプリングが強過ぎでショックダンパーのボリュームが不足しているのでフワフワと落ち着かない動きをする訳です。

その部分を見直してエンデューロ走行やスポーツ走行をするのに最適なバランスにショックのセッティングを内部から変更します。

そして車体側のクリアランスにもよりますが、リザーバータンクの容量アップの為にガスキャップを製作して組込むのも効果があります。

アルミから削り出しです。ガス室の容量が向上する事で熱ダレ予防やガス抜け予防になります。

次はフロントフォークです。実はこのリアの動きを受け止める為&アスファルトでのブレーキ時のノーズダイブ防止の為、やたら硬いフォークになってますが、これを解除しつつ各部を見直します。

フォークもスプリングの強さと油量を見直す事で大分良くなります。悪さ(?)をしてるのはリア側ですのでフォークはこの2点を改善する事で大分良くなりますが・・・。

やはりシムスタックもスポーツ走行向けに変更します(笑)。例えばこの辺りはオーナー様の使用目的がしっかりわかると色々と味付けできますのでご用命の際はお伝えください。

更にガンガン攻めたい場合はオイルロックを強化する為のパーツを製作!旋盤とフライスで削り出します。

ここの部分は結構重要です。フォークが物足りないからと言って悪戯にハードスプリングに変更すると硬くなったり動きが悪くなりますし、オイルレベルを上げると曲がらなくなったり、美味しいストローク部分が使いにくくなってしまう事が多いのです。

ですので美味しいストローク部分が使えるままにフォークを強くする為には画像の様な部品を製作して組み込む必要があります。

 

フロントフォークの定期的なオーバーホール

いつもご愛読ありがとうございます。今回はフロントフォークの定期的なメンテナンスについて、です。

バイクのフロントフォークはサスペンションとしての仕事とフレームの一部としての仕事を担っているので仕事量が多く消耗の激しい部分です。

上の画像が2万キロ走行したロードバイクの廃油で、下の廃油は1年程度使ったオフロードバイクの廃油になります。

既に役目を終えたオイルです(^^;

フロントフォークと言っても様々なタイプが存在するのですがトラブル例をご紹介します。

 

あまりにもメンテナンス(オーバーホール)を怠ると画像の様に、シムスタック(減衰圧を発生させる重要な部分)にスラッジ(鉄粉)等が挟まってしまい性能を発揮しないばかりか、内部パーツが破損したりします。排出したオイルの汚れが酷い場合は要注意です。

これはDR-ZやCRF等に採用されている分離加圧型フォークカードリッジです。フォーク内部に仕込まれている部分ですので外からは見えないんですが、実は壊れて(?)います。

フォークダンパーのロッドシールが駄目になって内部に負圧が発生していました。つまり…

本来、ロッドは伸びた状態で保持される筈が…

ロッドが縮んでしまいます(+o+)

こうなっているフォークもよく見かけます。症状としては、フォークの動きが悪くなってしまう為、ゴツゴツしたり突っ張った感じがする様になっていきます。

逆なんじゃないの?って思うかもしれませんが、サスペンションは伸びるのも重要な仕事で、路面追従性が悪くなってくるとゴツゴツ感やツッパリ感が出てきます。

こうなるとカードリッジダンパーのオーバーホールも必要になってきます。長期間使用されたマシンは要注意です。

それと忘れちゃいけない重要な部分。ステアリングステムの状態は勿論、フォークを車体へ組み付ける手順もフォーク自体の動きに影響しますので組み付け方法も正確に行わないといけません。

 

 

リアサスペンション(リアショック)の定期的なオーバーホール

いつもご愛読ありがとうございますm(__)m

怠りがちなリアショックのメンテナンス。オイルが漏れ始めたりしないと中々注目されない部分ですが実は定期的なメンテナンスを行う事で快適なツーリングやスポーツ走行性にかなり関わってくる部分です。

リアショックの定期的なオーバーホールの必要性について…。画像はCRFとXR(ME06)のノーマルリアショックを分解した物です。

双方とも廃油は真っ黒ですね(^^;

実は…

XRの方は長期間ノンメンテだった為、シリンダー内壁が偏摩耗してしまっていました(わかり難いかもしれませんが、内壁が凸凹になってます)。こうなってしまうと本来の性能は望めなくなってしまいます。

ガス抜け、オイル劣化したまま長期間使ってしまった為に起きる症状です。

そしてNSF100用のOhlinsのTTXショック。ロードバイクのリアショックも数年使用しただけでも、この様に劣化します。

ではメンテナンス時期の目安は?分かり易い判断としては…

画像の様にバンプラバー(ボトムアウトバンパー)が劣化し割れている場合は早めに処置が必要です。ガス抜け、ダンパーのヘタリの症状が重く出ている目印になります。

本来はこうなる前にメンテが必要ですね(^^;

ロードバイクの場合、理想は1万キロ以内に一回。最低でも2万キロ以内にはオーバーホールする事をお勧めします。

画像はCB400SBです。ゼファーなんかも同じなのですがツインショックの場合、よじれがあるのか?モノショックと比べるとオイル漏れトラブルやヘタるスパンが短いと感じます。

少しずつ劣化していきますので気付きにくいと思いますが、長距離ツーリング等でお尻が痛くなり易いとか症状が出始め…なんかポヨンポヨンする様になってきたとか。

その辺がメンテナンス時期だと思って頂いて結構です。

 

そしてオーバーホールに関してですが、オイルシールやダストシール、ガイドブッシュやピストンバンド等の基本的な消耗パーツ交換は勿論、最後の仕上げが重要になってきます。

画像はCBR1000RRのリアサスです。

消耗パーツ交換後に専用のポンプでオイルを充填しつつエア抜きを行います。この工程は重要で、きちんとした性能を発揮させるには必要不可欠になります。

それと忘れてはいけないのが、ショックアブソーバーだけでなく、スイングアームやリンクレバーの状態も大切です。定期的にグリスアップ、必要に応じてベアリング類の交換も忘れない様にしたいですね。

 

 

 

SHOWA・KYB 純正リアショックのオーバーホール オイル漏れ修理

Johnny`s Factoryでは、アッセンブリ―交換になってしまう純正のリアショックのオーバーホールも可能です。対応機種はお問合せ下さい。

画像はCB400SFやGSXカタナ等に装着されている純正ツインショックです。

こちらはNSR250Rの純正リアショックです。ショックロッドは錆びていましたが再メッキによって再生しています。

ヤマハのR1Zの純正リアショックです。リザーバタンクと本体を繋ぐゴムホースが劣化していましたので耐圧メッシュホースに交換してオーバーホールしました。

SHOWAのアドバンスショックもオーバーホール可能です。画像はCB1300SF用の物です。

カワサキのゼファー等に装着されている純正ショックもオーバーホール。

こちらはスズキの…車種は忘れてしまいました(^^;

こちらはGSX-R1000です。他にも対応可能ですのでお問合せ下さい。

純正のリアサスのオーバーホールやオイル漏れ修理も可能ですので諦めていたオーナー様は是非ご用命下さいm(__)m

 

KTM 250EXCのフロントフォーク オーバーホール修理

2005年式の250EXCのフロントフォークからオイル漏れとの事で、お預かりしました。この頃のWPフォークには、まだイニシャルアジャスト機能が無いですね。

それとこのタイプのリバウンドアジャスタは鬼門で、しっかり処理しないとココから水が入ったり…とトラブルの元になります。

カードリッジ内部の消耗パーツ交換や各部の処理をし、インナーチューブは研磨処理を行ってから組上げていきます。

12年程前のモデルになりますと、意外な部分に消耗があったり色々と注意しながらオーバーホールを行う必要があります。今回は特に大きな異常もなく無事にオーバーホールを完了しました!

GSX-R1300のオーリンズ ショック オーバーホール修理

GSX-R1300隼用のオーリンズショックをメンテナンスしました。シール類はもちろん、ピストンバンドやブッシュ、各部のO-ringを交換して組上げていきます。

今回はボトムアウトバンパー(ロッド下部の樹脂製のバンパー)に若干ですがひび割れを確認しましたので念の為、交換しました。

特殊ポンプを用いてエア抜きを完璧に行います。ショック内部を真空状態にしてからショックオイルを充填する装置です。この装置でエアを完璧に追い出す事が可能です。

ダンパーを完成させてリークテストを行いスプリングをセットしてオーナー様にお返しします。

ktm 250SX-F WP48AER FORK オーバーホール

WPサスペンションのエアフォークのオーバーホールを行います。左右のフォークシールは決壊してオイルが漏れていました。念の為、インナダンパーもリークテストを行って確認しながら作業を進めていきます。

インナーチューブは傷や錆を確認して研磨しておきます。

ダンパ機能を担っている右側フォークのインナーダンパーのロッドからもオイル漏れを確認しましたのでシール類は交換しました。

消耗パーツを交換して組上げた右のインナーダンパー、左のエアチャンバーにリークがないか?テストをして仕上げに移ります。

KTM 530EXCのリアショック オーバーホールや色々

KTMの530EXCのリアショックをオーバーホールしつつ仕様を変更して欲しいとの事でオーナー様から預かりました。フォーク、ショック共に動きが悪いとの事で確認しつつ分解していきます。スプリングを取外し動きを確認してみると・・・全然動きません( 一一)そんな馬鹿な!

そう、これは2010年モデルまではSXモデルもリンクレスを採用していた時代・・・モトクロスでガンガン使う為リアサスの底付きや不安定さを改善する為のパーツが組み込まれていたのです。そして、それに合わせてバルビングも大幅に変更されていました。

画像のパーツ類一式、ニードルバルブシステムとオイルロックシステムが社外品に変更されてました。もとに戻せばいいだけなんですが、この部分だけでパーツ供給されていないので普通はアッセンブリ交換になっちゃうんですが、たまたま同年式のショックが倉庫に眠っていたので、そちらから取り出しました。

この頃、私もこの辺のパーツに着目して社外品を色々と試した記憶がありますが、どれもイマイチだったような・・・。実はリアの不具合をリア側だけに原因を求めてしまうと大きく過ちを犯してしまいます。逆もしかりです。

今回、STDに戻すだけでなくエンデューロやハードEDでトラクションし易い様なバルビングにして組上げました。次回はフロントフォーク編なのですが何が出てくるか?不安と期待が入り混じる今日この頃でございます。

続く…。

KTM 250EXCのリアショック仕様変更(修理etc…)

「ハードエンデューロで使うから兎に角足付を良くしろ!」との指令を受け-45㎜のローダウンを行ったPDSショックの仕様変更を行いました。今回の指令は「もっと登る様にしろ!」との事なんで色々と考慮した結果、ストロークを活かしたいので車高上げてもいいっすか?と・・・(;^_^A

フォークはうちで造ったスペシャルフォークを組込んでSTDフォークはポイチョ~|д゚)

んでショック長変更と、更にバルビングの仕様変更を行いました~。クロカンなんかのグルグルレースだと殆ど問題は起きないんですが、トライアルテクニックの様なアクションで方向転換したり、より高度な技を駆使する為にはストローク量が重要だったり色々とオーナー様と一緒に勉強させてもらってます。

と言うのも、リンク式ですとこの辺の問題はクリアできるんですが位置依存の強いPDS式ショックはストローク量の余裕が重要になってきます。

特に伸び側の余裕がトライアル的なアクションを行うには大切なんだと言う事を学ばせてもらいました。入り側ではなく伸び側です。ココ重要!

ついで(?)にラジエター修正とカウンターシャフトからのオイル漏れも修理しました。ラジエターはグニャグニャに変形してたのをなるべく綺麗にしましたが…次はもう交換だなぁ。次に曲げたら多分割れます。お願いだからバイクを投げないでね((+_+))

カウンターシャフトのオイル漏れですが、洗車をもっと頑張って下さい!意外と大切なんですよ?マシンを綺麗に保つって事はヽ(`Д´)ノぶー!