KTM 350SX-Fのフォークダンパー修理

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右側のフォークダンパー
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左側のフォークダンパー

毎度ご愛読ありがとうございます。今回はKTMやフサベルなどのモトクロッサーやエンデューロマシンに採用されていたWP製クローズドカードリッジについてです。

オーナー様曰く「数か月前にオーバーホールしたんだけどまた漏れてきちゃったよ、とほほほほ~」との事で点検してみました。アウター側のオイルを排出してみた所、あれ?なんか油量が多くない?…変だなーと思いカードリッジのチェックバルブを点検してみると、ほんの少しストロークさせただけでオイルがダラダラと出てきてしまいます。

これはあれだなー。そう、アレです。

実はブラッダ式のフォークダンパーはきちんと工程を踏み、正確にエア抜きしませんとブラッダ(ガス袋)の変形率が不安定になり・・・・永くなるので割愛しますが、とにかくきちんとエア抜きできていないとこうなります!(^-^;

カードリッジのチェックバルブからオイルが必要以上に排出され続けてアウター側に流れ続けた事でオイル漏れを発生させた様です。

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カードリッジパイプの変形

兎に角!他にも原因があるやもしれませんので、カードリッジは分解して点検・・・なのですがロッドの動きがおかしいのです。途中で引っかかるの外してみると…シリンダパイプの一部が変形していました((+_+))

恐らくなんですが、無理にバイス等で固定して分解した様な痕がありました。仕方がないのでホーニングしてなるべく引っかからない様にしましたが、本来は交換が必要な状態でした…。

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エア抜き
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エア抜きが完璧だとこうなります

舶来品のWPですから、大物パーツはやはり高価なので、ノウハウの豊富なプロショップへ依頼された方が良いと思います(^-^;

きちんとエア抜きができて、ブラッダを正しい形状にできたならば、ダンパーロッドを押し込んでも殆どオイルは出てこないのです。出るとしてもフルストロークさせてちょっと出るかな?程度です。

国産クローズドフォークのスプリング式と違って、この辺りのノウハウが無いとセッティングが難しくなります。しかしながらセッティングがばっちり行くと安定した性能を高次元で発揮してくれるフォークだと思います。

実は自分の250EXCにはWPのクローズドフォークを使ってます。4CSも良いんですが、挙動がクローズドフォークの方が長時間一定でコントロールし易いと感じます。勿論フォークダンパーのエア抜きが完全である事が前提ですが。

4CSのエア抜きもコツが要りますね。ただ、こっちはエア混入しても自動的にエアを排出してくれる機能が備わっているんですが、メンテを怠ると他の部分が悪さをして動きが一定じゃ無くなる気がします。