2017年モデルの250EXCローダウンとチューニング

新しくなったKTM EXCシリーズのサスペンションユニットをチューニングしました。フォーク、ショック共に大幅にシステム変更されています。ジョニファの宣伝広告塔マシンでございやす(笑)。その辺の詳細は他のサイトで取り上げられていますので、そちらで確認していただければと思います。

17モデルは進化を遂げ、概ね良好なサスなんですが、欲を言えばフォークの反応が鈍いのを改善、リアの沈み込んでいる時間をもっと長く取りたい。フォークの反応が鈍るのはスプリングをソフトに振っているからなのもあるし、リアが沈み込んでいる時間が短い為、フロントが返ってこない。この2点は連動して起こっていると。ただしリアもフロントと同様にスプリングはソフトに振ってありますので原因は他にもあるんじゃないかと。

ですので今回は分かり易い様にフォークの反応を良くするのとリアが沈み込んでいる時間を長く取れるようなバランスのバルビングに振って組みました。

それとリアショックのオイルロック機能がかなり変更されております。シリンダー径が46㎜にした為か(?)かなり強く効きそうな構造です。その上、スプリングが不均等ピッチになっていますので日本人(更に華奢な私)の体格ですと奥のストロークが使いにくいんじゃないかなーと。そこでスプリングはシングルレートに変更しました。

 

フォークにはカシマコートを施したアウターチューブを使いました。反応を良くする効果があるのでバルビングと相まって追従性向上を狙いました。

リアにはSKF製のダイヤフラム式のリザーバーピストンを使います。これはPDSの弱点である細かなギャップの追従性を向上させる効果があります。最近のPDSはベース性能が向上してリンク式と大差ない仕上がりなんですが、やはりリンク式には劣ると思います。実はお客様のマシンに入れてみた所、かなり良い結果が得られたんです。リバルブも同時に行っているのでピストンだけの効果ではないかもしれないのですが理論的に悪くなる要素はないし、これはいけるんじゃないかと直感です。前のモデルにも使用できますのでお勧めです。

SKFって派手なカスタムパーツではないのだけれど、地味に着実にアップグレードできるパーツを供給してると思います。個人的には信頼できるメーカーさんだと感じています。

それと、今回は20㎜ローダウンになる様に各部の寸法も変更しました。私の体格でもSTDの車高+スプリング変更+リバルビングでローダウンしなくてもいける感じなんですが、ローダウンしつつサスのバランスを最適化するって部分も確かめたかったのと、やはり足付性が向上すると無駄な転倒が防げるんで、単純に安心感を得たいのと、安心感が大きい方がチャレンジ精神も向上するんで(笑)。