YAMAHA R1-Zのサスペンション オーバーホール&チューンUPに着手しました。
先ずはオイル漏れ症状を起こしているリアショック。ロッドに錆がありましたので再メッキとチタンコートを施す為にコーティング工場へロッドを外して送ります。
各部を計測しながら分解記録してロッドを取り出しコーティングを依頼します。
先日からの続きです。スタンダードスプリングと比べて短いスプリングが完成し入荷しましたのでフォークに取り掛かりました。ローダウンする為のカラーを作ります。
潤滑性と圧力に強い樹脂を使って製作します。実は樹脂なのがミソです。
フォークダンパーロッドはデリケートですので傷は大敵なんですね。傷ついたダンパーロッドがダンパーロッドシールを痛めてしまう恐れがあるので樹脂です。しかもアルミの様な非金属より柔らかい物でないといけません。
ロッドコーティングが剥げてしまう恐れがあるからです。
フォークカードリッジを分解してショート加工します。新古車なのですがオイル漏れが見られましたのでインナチューブは研磨してシールを新品に交換しました。
ショート加工したカードリッジに合わせた長さのスプリングを適正なイニシャル量になる様に確認しつつ組み立てていきます。
今回、リアショックのスプリングに合わせてフォークスプリングのレート(強さ)も変更して前後バランスを最適化しました。
先日からの続きです。ハスクのFE450のリアショックを30㎜ローダウンになる様にショート加工してリバルビングを行いました。先日、製作した専用のローダウンカラーを組込みました。
リバルビング(バルビングの変更)と一口で言っても簡単ではありません。例えば、『リアならリアだけ』『フロントならフロントだけ』と言ったそれぞれの動き自体を変更するだけのチューニングならば容易ですし分かり易く動きが変わります。所が!
バイクの場合、前後のバランスを考慮しませんと狙ったセッティングになりません。
例えばリアのトラクションを稼ぎたい場合はリア側だけに原因がある訳ではなく、又フロント側に硬さを感じるからと言ってフロントフォークだけに原因がある訳では無い症状を多々見受けます。
そんなに簡単に解決できる問題jじゃないのよね…。と言う事で。
走行時間は極短ですので再利用できる部品は再利用しました。念の為シール類は交換しました。
スプリングも変更しました。使うシチュエーションやライダーの好みやマシンの持つ癖を考慮しつつ、前後のバランス最適化とトラクション性の向上を狙って仕様を変更する訳です。
総合的にチューニングするにはリアだけ、とかフロントだけと言うのは成り立たないのがオートバイ。
簡単に言うと、フロントがゴツゴツと嫌な感じがする場合、フォークが硬い訳ではない事が多々あるんですね。逆にリアのトラクション性を上げる為にフロント側に改良が必要だったりと、とにかくライダーの話に耳を傾ける事が最低条件ですねぇ。
そして、このFE450に何を求めるか?ココ重要!
と言う訳でフロントフォーク編へ続きます。
ハスクバーナのエンデューロマシンFE450のローダウンに取り掛かりました。先ずはリアショックから。
各部の寸法を確認してリアショック用にローダウンカラーを作製します。今回は車高にして30㎜のローダウンになる様にショック長を詰める為のカラーです。
完成しました。このカラーの形状と材質ですが、実はこだわって製作しております。ショック内部なので見えない部分ではありますけれど(^^;
ショック上側の先端にくるパーツですのでできるだけ軽く、無駄に遠心力を生まない様にして…簡単に言うと…簡単に説明できんわ(+_+)
軽く、それでいて強くないといけません。伸び切り時の衝撃を受け止める部分ですので。と言うのも軽量化しすぎて大失敗した事があったんですねぇ。もちろん実験機用のマシンでですよ。あははは(苦笑)。
続く・・・
いつもご愛読ありがとうございます。今回はKTMのEXCシリーズについてです。特に17年モデルからのシャーシに的を絞って書こうと思います。
前モデルと比べ全体的にコンパクトになった印象を受けます。足付性も良くなっています。
特筆すべきはWP 48Xplorフォークと新しくなったWP PDSショックだと思うのですが…弱点がチラホラと見受けられます。
新型のWP 48Xplorですが先ず、全体的にダンパボリュームが不足している感が否めません。ダンパーピストンが小さ過ぎるので大きくしたい所ですがカードリッジシステムを丸ごと変更する必要が出てきてしまう。
海外のメーカーですと中身をごっそり入れ替えるキットなんかも販売されていますが価格を考えると…。そこでリバルビングで解決できないかと試行錯誤しました。
意外と苦労せずに良い結果が出せたのですが、やっぱ普通のクローズドフォークが一番安定してると思いました。
最近、左右非対称のフォークが主流ですが、個人的にはメリットが感じられないんですよね。メリットはメーカー側にある様な…???
そしてリアショック。前モデルと比較してシリンダー径が変わりました。物凄く期待していたんです。16モデルまでのPDSの弱点と言うか癖と言うか、その辺を加味すると良い方向になってる筈なのは間違いない!と。
実はフォークよりもリアショックの方が難有りだったのです(^^;
先ず全体的にダンパーボリューム不足。そして減衰の立ち上がり方は前モデルより良好なんですがオイルロックが強過ぎて奥側のストローク部分が全く使えない( ;∀;)
何じゃこりゃあー!
と言う部分を全て改善すると…あら不思議!前モデルよりも更にコントロールし易くなります。
最初ノーマル状態で、ぱっと乗った感じは概ね良好な印象なのです。硬さは皆無でよく動いてくれますし。
所が、お山ではトラクションが抜け易く車体がクルンと変な方向向いちゃったり、コーナリングではリアのトラクションが抜け易く神経質だったり、あれ?あれ?と。
そして高速域ではフロントの動きが重く感じられ軽快感がなく、終いにはチャタとウォブリングの嵐!
逆を言えば、ここまで分かり易いと改善方法も分かり易かったので助かりました(笑)。
こちらのチューニング済のデモ車も放出いたします。画像は保安パーツを全て取り払っておりますが勿論付属します。
登録も可能ですのでこの機会に如何でしょう?興味ある方はお問合せ下さい。(ありがとうございました Sold out!)
いつもご愛読ありがとうございます。今回はホンダのCRF150Rのサスペンションについて、です。このCRF150RはCR85Rをベースに4STエンジンが搭載された初のミニモトクロッサーになります。車体を観察しますと開発に苦労の跡が多く見られます。
妥協点を感じさせる部分もしばしば。
2007年当時、色々と苦情(?)を聞かされた記憶があります(笑)。サスは底付くし…酷いとスイングアームが折れたり…なんてこともありましたね。
2ST85㏄から4ST150㏄になった事で、車重増加や単気筒4STエンジン特有のピッチングの激しさが原因でライダーを悩ませておりました。それでも当時は2STはもう古い!これからは4STの時代だ!なんて皆思っておりましたしミニモトブームだった事も重なり、ちょっとした150Rは人気車種の地位を築いたのでごぜーやす。
サスの『リバルビング』と言う言葉が一般的になったのもこのCRF150Rの影響が大きかったんじゃないかな?と思います。メーカーの出した妥協点が素人にもバレてしまう程の品質だったとも言えますが…。
エンジンは物凄く良かったんですが…コストダウンのしわ寄せを全部サスに押し付けたんじゃない?なんて私は当時感じたものです。
そうなるとチューニング屋さんの出番になる訳です。正にブームになりましたね(笑)。
先ずは兎に角、軽量化です。正攻法。コストダウンの為の鋳鉄パーツを軽い物に変え、遠心力の強く出る部分は特に軽くして、その上で更に足りない(省略された)機能を追加するという方法。基本です。
バネ下の軽量化が如何に大切か?それはサスペンションの存在理由を理解できれば簡単にわかるかと。
所が我流の俄チューナー達の訳の分からない噂も飛び交いまくりましたね(苦笑)。ブームが起きると冷静さを失うのが市場ってもんなのでしょうね。今思い出すと笑っちゃうんですが。
私も色々と勉強させられた感慨深いモデルです。最初から答えが分かっていた訳ではないので偉そうな事は言えません。ですが基本が重要なのだと再確認させられたモデルです。
ブームは沈静化したものの、今でも根本的に改善されたモデルチェンジは行われていないようですので悩まれてるライダーもいらっしゃると思います。
サスペンションの不具合は元より、大の大人が子供用に作られたミニモトに乗って本気で攻める!と言ったブームでしたので 極端にポジションを変更する訳です。あれからもう10年以上経ったのかよ-!
ですのでポジション(ハンドル位置やシート高、ステップ位置)がハンドリングに与える影響の勉強にもなりました。頭では勉強して知っていた筈の知識だったのですが…。
具体的例で言えば、体格に合わせてハンドルの『幅』『高さ』『ポスト位置』を変更しますと、フロントサスペンションから腕に伝わる力が大きくなったり小さくなったりする訳です。逆もしかりです。
シートの形状もライディングに大きく影響するって事も身に染みて理解させられました。
何か備忘録になってしまいましたが本当に勉強させられたモデルだったんですよ。
多くの方々に愛されたバイクってのは実は駄目なバイクだったりするんじゃないかな?とか思ったり。そんなマシン(メーカー供給品)をどうにかしようとするライダー(ユーザー)との『歩み寄り』が『バイクを楽しむ』醍醐味なんじゃねーか?と思う今日この頃でございやす。
実はこのデモ車のCRF150RⅡを大放出します!150Rの弱点を改善するチューンが施されております。
販売価格や詳細は…興味のある方はご連絡下さい。
Sold Out!
いつもご愛読ありがとうございますm(__)m
今回はセロー250の足回りのセッティングについて書いてみようと思います。画像はセロー250です。見た目、全然変わってますが(^^;
これはできる限り軽量化した結果です????
セロー250ですがフロントフォークの頼りなさが目立ちます。フォーク側に路面からの大きな入力があった場合にグニャン!ブルブルとハンドルに伝わってきます。
この辺の頼りなさの原因はリアとのバランスも重要になってくるのですがフォーク自体の動きが不安定なのを改善する所から始めましょう。
セローのフロントフォークは非常に原始的なダンパーが入っている為に画像の様なカードリッジエミュレーターを仕込みます。
これが意外と効くんですね。不安定なダンピング特性が安定する効果があります。
組込み自体はそんなに難しくありませんが、きちんと寸法を取ってパーツをカットしたり、着座する様にカラーを製作する必要が出てきます。
ここでも意外に思われるかもしれませんが、イタズラにハードスプリングを入れると逆効果になってしまうんですね。ダンパーが不安定なのにスプリングを強化すれば更に制御が出来なくなってしまうからです。
又、ダンパーオイルを硬い物にするのも実はNGなんです。パッと乗った感じは良くなった様に感じますがオイルの粘度に頼りすぎると熱での変化で結局は不安定なダンパーを根本的に解決できていない為に突然裏切られます。
それからリアショックです。ライダーの体重によってはよりソフトなスプリングを使う必要が出てきますがフロントが強化されていますので前後のバランスは補正されてますので交換はしません。
それともう一つ忘れちゃいけないのが、このセローのリアショックはヘタリ易いです。走行距離1万キロ弱のマシンですが、オイルは真っ黒で役目が終わってます。
定期的なオーバーホールは忘れない様にしたい所ですね。
リア側もやはりポヨンポヨンな動きをする為、コントロールしにくく油断するとトラクションが抜けやすいので、その辺を改善するモディファイを行います。
流石にハイスピードなMX走行やクロスカントリー走行を行うには難がありますが、このモディファイを行う事でトライアル的なコントロールが格段にやり易くなります。
いつもご愛読ありがとうございます。今回はヤマハのWR250Rの足回りについて書いていこうと思います。見た目はモトクロッサー等のレーシングマシンのレプリカに見えますが、やはり公道を走るトレール車としてのセッティングになっております。
オフロードでスポーツ走行を楽しもうとすると色々と足りない部分が出てくるのは否めないと思います。
リアはポヨンポヨンと動き過ぎる反面、フロントはゴツゴツと硬くエンデューロなんかで使うとヒルクライムではトラクションが得にくい為、登り切れなかったりスタックし易かったりと四苦八苦するんですね。
これは、公道を走る為に2人乗りや荷物を積む事を考慮したセッティングですので仕方ないのですが、実はこのWR250Rはセッティング次第で化けます。
マシンの元々の素材が良いので、諦めるのは早合点です。
先ずは問題のリアショック側から。トレール車であるWR250Rは実は、フロントと比べてリアショックのスプリングが強過ぎるセッティングになっています。
動き過ぎる感があるので「え?」と思われるんじゃないかと思いますが、スプリングが強過ぎでショックダンパーのボリュームが不足しているのでフワフワと落ち着かない動きをする訳です。
その部分を見直してエンデューロ走行やスポーツ走行をするのに最適なバランスにショックのセッティングを内部から変更します。
そして車体側のクリアランスにもよりますが、リザーバータンクの容量アップの為にガスキャップを製作して組込むのも効果があります。
アルミから削り出しです。ガス室の容量が向上する事で熱ダレ予防やガス抜け予防になります。
次はフロントフォークです。実はこのリアの動きを受け止める為&アスファルトでのブレーキ時のノーズダイブ防止の為、やたら硬いフォークになってますが、これを解除しつつ各部を見直します。
フォークもスプリングの強さと油量を見直す事で大分良くなります。悪さ(?)をしてるのはリア側ですのでフォークはこの2点を改善する事で大分良くなりますが・・・。
やはりシムスタックもスポーツ走行向けに変更します(笑)。例えばこの辺りはオーナー様の使用目的がしっかりわかると色々と味付けできますのでご用命の際はお伝えください。
更にガンガン攻めたい場合はオイルロックを強化する為のパーツを製作!旋盤とフライスで削り出します。
ここの部分は結構重要です。フォークが物足りないからと言って悪戯にハードスプリングに変更すると硬くなったり動きが悪くなりますし、オイルレベルを上げると曲がらなくなったり、美味しいストローク部分が使いにくくなってしまう事が多いのです。
ですので美味しいストローク部分が使えるままにフォークを強くする為には画像の様な部品を製作して組み込む必要があります。
前回からの続きです。530EXCのフロントフォークに取り掛かります。作業前に点検してみるとコンプレッション側のノッチからオイル漏れしてました。
そしてリアショックと同様、動きが悪いとの事でバルビング類を点検確認しスタンダードに戻しつつオーナー様の使い方に合わせて改良します!
フォークは無改造でシムの積層変更だけかなあ~と思っていたら、そうはいきませんでした((+_+))
MIDバルブが改造されていました。旋盤で形状を変更されていましたのでスタンダード部品に交換しました。バルビングもハード方向へ積まれていましたのでSTDプラスアルファのリバルビングにします。
改造された後ですと各部の寸法を色々と確認しながら一度STD状態に戻し、そこから最適な状態に持って行くので意外と時間がかかる作業になっちゃいました(*´з`)
かなりガッツリ改造されているので今回は前後共に頑張りました~(^^)/
交換したパーツ類がごっそりですね。