「サスペンション」カテゴリーアーカイブ

フロントフォークの定期的なオーバーホール

いつもご愛読ありがとうございます。今回はフロントフォークの定期的なメンテナンスについて、です。

バイクのフロントフォークはサスペンションとしての仕事とフレームの一部としての仕事を担っているので仕事量が多く消耗の激しい部分です。

上の画像が2万キロ走行したロードバイクの廃油で、下の廃油は1年程度使ったオフロードバイクの廃油になります。

既に役目を終えたオイルです(^^;

フロントフォークと言っても様々なタイプが存在するのですがトラブル例をご紹介します。

 

あまりにもメンテナンス(オーバーホール)を怠ると画像の様に、シムスタック(減衰圧を発生させる重要な部分)にスラッジ(鉄粉)等が挟まってしまい性能を発揮しないばかりか、内部パーツが破損したりします。排出したオイルの汚れが酷い場合は要注意です。

これはDR-ZやCRF等に採用されている分離加圧型フォークカードリッジです。フォーク内部に仕込まれている部分ですので外からは見えないんですが、実は壊れて(?)います。

フォークダンパーのロッドシールが駄目になって内部に負圧が発生していました。つまり…

本来、ロッドは伸びた状態で保持される筈が…

ロッドが縮んでしまいます(+o+)

こうなっているフォークもよく見かけます。症状としては、フォークの動きが悪くなってしまう為、ゴツゴツしたり突っ張った感じがする様になっていきます。

逆なんじゃないの?って思うかもしれませんが、サスペンションは伸びるのも重要な仕事で、路面追従性が悪くなってくるとゴツゴツ感やツッパリ感が出てきます。

こうなるとカードリッジダンパーのオーバーホールも必要になってきます。長期間使用されたマシンは要注意です。

それと忘れちゃいけない重要な部分。ステアリングステムの状態は勿論、フォークを車体へ組み付ける手順もフォーク自体の動きに影響しますので組み付け方法も正確に行わないといけません。

 

 

リアサスペンション(リアショック)の定期的なオーバーホール

いつもご愛読ありがとうございますm(__)m

怠りがちなリアショックのメンテナンス。オイルが漏れ始めたりしないと中々注目されない部分ですが実は定期的なメンテナンスを行う事で快適なツーリングやスポーツ走行性にかなり関わってくる部分です。

リアショックの定期的なオーバーホールの必要性について…。画像はCRFとXR(ME06)のノーマルリアショックを分解した物です。

双方とも廃油は真っ黒ですね(^^;

実は…

XRの方は長期間ノンメンテだった為、シリンダー内壁が偏摩耗してしまっていました(わかり難いかもしれませんが、内壁が凸凹になってます)。こうなってしまうと本来の性能は望めなくなってしまいます。

ガス抜け、オイル劣化したまま長期間使ってしまった為に起きる症状です。

そしてNSF100用のOhlinsのTTXショック。ロードバイクのリアショックも数年使用しただけでも、この様に劣化します。

ではメンテナンス時期の目安は?分かり易い判断としては…

画像の様にバンプラバー(ボトムアウトバンパー)が劣化し割れている場合は早めに処置が必要です。ガス抜け、ダンパーのヘタリの症状が重く出ている目印になります。

本来はこうなる前にメンテが必要ですね(^^;

ロードバイクの場合、理想は1万キロ以内に一回。最低でも2万キロ以内にはオーバーホールする事をお勧めします。

画像はCB400SBです。ゼファーなんかも同じなのですがツインショックの場合、よじれがあるのか?モノショックと比べるとオイル漏れトラブルやヘタるスパンが短いと感じます。

少しずつ劣化していきますので気付きにくいと思いますが、長距離ツーリング等でお尻が痛くなり易いとか症状が出始め…なんかポヨンポヨンする様になってきたとか。

その辺がメンテナンス時期だと思って頂いて結構です。

 

そしてオーバーホールに関してですが、オイルシールやダストシール、ガイドブッシュやピストンバンド等の基本的な消耗パーツ交換は勿論、最後の仕上げが重要になってきます。

画像はCBR1000RRのリアサスです。

消耗パーツ交換後に専用のポンプでオイルを充填しつつエア抜きを行います。この工程は重要で、きちんとした性能を発揮させるには必要不可欠になります。

それと忘れてはいけないのが、ショックアブソーバーだけでなく、スイングアームやリンクレバーの状態も大切です。定期的にグリスアップ、必要に応じてベアリング類の交換も忘れない様にしたいですね。

 

 

 

SHOWA・KYB 純正リアショックのオーバーホール オイル漏れ修理

Johnny`s Factoryでは、アッセンブリ―交換になってしまう純正のリアショックのオーバーホールも可能です。対応機種はお問合せ下さい。

画像はCB400SFやGSXカタナ等に装着されている純正ツインショックです。

こちらはNSR250Rの純正リアショックです。ショックロッドは錆びていましたが再メッキによって再生しています。

ヤマハのR1Zの純正リアショックです。リザーバタンクと本体を繋ぐゴムホースが劣化していましたので耐圧メッシュホースに交換してオーバーホールしました。

SHOWAのアドバンスショックもオーバーホール可能です。画像はCB1300SF用の物です。

カワサキのゼファー等に装着されている純正ショックもオーバーホール。

こちらはスズキの…車種は忘れてしまいました(^^;

こちらはGSX-R1000です。他にも対応可能ですのでお問合せ下さい。

純正のリアサスのオーバーホールやオイル漏れ修理も可能ですので諦めていたオーナー様は是非ご用命下さいm(__)m

 

昭和のYZ125(ビンテージモトクロッサー)の純正リアショック オーバーホール

1983年頃のYZ125に装着されていたリアショックです。オイル漏れとの事でお預かりしました。昭和58年に製造されて現在に至ると言う事で、ビンテージMXと言った所でしょうか?

もちろんその頃の私は子供でしたので初めてお目にかかります(笑)。この頃のマシンは、モノやリンクレバー式のリアサスペンションが各メーカーで競合していた時期で独特な構造をしたサスペンションが沢山あるのが特徴的です。

基本的な造りはこの頃には完成されていたんですねぇ。分解された痕がないので初めてのオーバーホールでしょうか?

ピストン側だけでなくシリンダー側にも減衰圧を制御するシステムがあったり、試行錯誤の跡が見て取れます。ロッドには無数の傷と錆が発生しておりましたので再メッキへ出しました。

再生されたショックロッドが返ってきました!綺麗になりました\(^o^)/

古いモデルですのでパーツの供給がありませんので代替の現行パーツが組み込めるように一部寸法を見直しました。

それと、専用のエア抜きポンプに接続できるようにアダプターも旋盤で削り出しました。これで完璧なエア抜きが可能です。色々と(現在では)特殊な造りなので加工や新たな道具が必要だったりと勉強になりました。

リークテストを行い、問題ない事を確認してお客様の元へ送り返しますm(__)m

350EXC-Fのリアショックのチューニング ローダウン

16年モデルの350EXC-Fのリアショックをチューニングしました。オーナー様と相談の結果、-20㎜ローダウン+前後バランス最適化の為のリバルビングと言うメニューになりました。

フロントフォークは様子を見てから、と言う事で今回はリアのみです。ストロークのバランスを考えると勿論フロント側のストロークも見直した方がベストです。

ショックスプリングも変更した方が良いのですが、フォーク側がSTD状態ですので今回は見送りました。

今回、オーナー様のご意向で再使用可能なパーツは未交換です。念の為、オイルシールダストシールは交換し完成させました\(^o^)/

CRF125F修理とか色々

毎度ご愛読ありがとうございます!ちょっぴりレア(?)なホンダのCRF125Fの修理を承りました。大人の男性がお遊びで使っているのですが中々のダメージっぷり(笑)。

フォークオイルはダダ洩れ状態でハンドルストッパーは変形(+o+)

ミニモトで遊ぶのって面白いんですよねー。大人の男性が使うには限界性能低いんですが何故か面白い。

ステップの位置が気に入らないとの事なので溶接肉盛りして成形し直しました。ステップ自体はフルサイズモトクロッサーの物を流用して使われている様ですね。

ステップ幅やハンドル形状、大人の体格に合う様に部品を変更していく必要があるのもミニの宿命ですが、ポジションのセッティングがいかに大切か学べるのもミニの良い所じゃないかなあ~と思います。

KTM 250EXCのフロントフォーク オーバーホール修理

2005年式の250EXCのフロントフォークからオイル漏れとの事で、お預かりしました。この頃のWPフォークには、まだイニシャルアジャスト機能が無いですね。

それとこのタイプのリバウンドアジャスタは鬼門で、しっかり処理しないとココから水が入ったり…とトラブルの元になります。

カードリッジ内部の消耗パーツ交換や各部の処理をし、インナーチューブは研磨処理を行ってから組上げていきます。

12年程前のモデルになりますと、意外な部分に消耗があったり色々と注意しながらオーバーホールを行う必要があります。今回は特に大きな異常もなく無事にオーバーホールを完了しました!

GSX-R1300のオーリンズ ショック オーバーホール修理

GSX-R1300隼用のオーリンズショックをメンテナンスしました。シール類はもちろん、ピストンバンドやブッシュ、各部のO-ringを交換して組上げていきます。

今回はボトムアウトバンパー(ロッド下部の樹脂製のバンパー)に若干ですがひび割れを確認しましたので念の為、交換しました。

特殊ポンプを用いてエア抜きを完璧に行います。ショック内部を真空状態にしてからショックオイルを充填する装置です。この装置でエアを完璧に追い出す事が可能です。

ダンパーを完成させてリークテストを行いスプリングをセットしてオーナー様にお返しします。

ktm 250SX-F WP48AER FORK オーバーホール

WPサスペンションのエアフォークのオーバーホールを行います。左右のフォークシールは決壊してオイルが漏れていました。念の為、インナダンパーもリークテストを行って確認しながら作業を進めていきます。

インナーチューブは傷や錆を確認して研磨しておきます。

ダンパ機能を担っている右側フォークのインナーダンパーのロッドからもオイル漏れを確認しましたのでシール類は交換しました。

消耗パーツを交換して組上げた右のインナーダンパー、左のエアチャンバーにリークがないか?テストをして仕上げに移ります。

KTM 530EXC WPフロントフォークのオーバーホールと色々

前回からの続きです。530EXCのフロントフォークに取り掛かります。作業前に点検してみるとコンプレッション側のノッチからオイル漏れしてました。

そしてリアショックと同様、動きが悪いとの事でバルビング類を点検確認しスタンダードに戻しつつオーナー様の使い方に合わせて改良します!

フォークは無改造でシムの積層変更だけかなあ~と思っていたら、そうはいきませんでした((+_+))

MIDバルブが改造されていました。旋盤で形状を変更されていましたのでスタンダード部品に交換しました。バルビングもハード方向へ積まれていましたのでSTDプラスアルファのリバルビングにします。

改造された後ですと各部の寸法を色々と確認しながら一度STD状態に戻し、そこから最適な状態に持って行くので意外と時間がかかる作業になっちゃいました(*´з`)

かなりガッツリ改造されているので今回は前後共に頑張りました~(^^)/

交換したパーツ類がごっそりですね。