「サスペンション」カテゴリーアーカイブ

KTMのサスペンションチューニング

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

いつもご愛読頂き誠にありがとうございます。今回は趣向を変えてちょっと思いついた事を書いてみようかなと思います。

KTMの250EXCと付き合って1シーズンが経ちました。その前には125EXCを2台乗り継いでいるんですが、250は思った以上に125とは違っていましたね(^^;

当時は目新しかったWPの4CSフォークも色々と試しました。今は従来のクローズドタイプに落ち着いています。そのクローズドの方にコーティングを施したアウターチューブとインナーを組込んでいますが、これが今の所最高です。4CSフォークの方にもブラケットを交換すれば使えるしコスパも悪くないと思ってます。恐らく16モデルや17モデルまでは流用可能かと。

気になるコーティングの効果ですが、フロントフォークはストロークが長く沢山移動する(とゆー事はピストンスピードが速い)上に接地面積も大きいので体感できるレベルにあると感じました。ワークスはこんなに良い物を使ってるのか~と(笑)。先ず分かったのはフォークが無駄にたわまない感じがしました。これは引っかかりが少なくなったからだと思います。剛性感が出た感じです。硬い感じではなくフォークが引っかかってる感じが少なくなったって事なんですが、動きはスムーズで接地感が増しました。これはコーティングだけの効果+フォーク自体のセッティングの結果なのでコーティングは今の状態よりもワンランク上のサスペンションを求めるならば…と言った選択肢になると思います。

勿論、フォーク自体のセッティングも色々と変更してます。自分の場合、体が小さいもので吊るしの状態ですと接地感もへったくれもありません(^^;

ですのでショート加工、リバルビング、スプリングレート、オイルロック寸法変更…色々と組み合わせてベストな所にもっていっています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

んで、リアショックですがKTMのEXCの特徴でもあるリンクレスシステム。独特なPDSショックのチューニングは結構特殊なチューニングな部類になるんじゃないかな~と思います。一時期言われていたリンクレスのネガな部分、前に突き出される様な感じですが、実はフロント側のセットアップが大きく影響します。

それと細かなギャップでゴツゴツとお尻が痛くなる感じ(笑)、これは一筋縄ではいきませんが、なるべくスムーズに初期動作性を向上させつつ奥では踏ん張ると言った、フォークと同じく位置依存が強いリアショックだと認識しないと間違った方向にチューニングしてしまう事になると思います。リンク式の方が性能は…だと思いますが12年モデル以降のEXCは大分良くなっていて違和感もないですね。この辺はメーカーの方で前後バランスを見直した部分が大きいと思います。はい。

その上で、リアショック自体のフリクションを低減していく、と言ったメニューが必要だと思います。手軽に誰にでもできる社外パーツがあるんで紹介します。

回転しながら伸び縮するコイルスプリングの抵抗を低減する為のスラストベアリングです。これをスプリングの上下に取り付けてます。PDSの場合、これだけでもかなり効果があると感じました。実際にWPのファクトリーでは採用されてます(物は違いますが)。そして余裕があればロッドやショックボディにコーティングがベストです。あ、それとPDSはショックスプリングのイニシャル量で動きが大きく変わります。色々と試すべき部分ですよ、ここは。ベストな量はフロントとのバランスやライダーの体重で変わりますので兎に角色々と試して下さい。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

それから、マシンのパフォーマンス向上に欠かせない部分、軽量化です。エンデューロマシンは様々なシチュエーションに出くわしますしガード類の追加や色々と安全策を講じる為に重くなりがちです。

マシンを守り走行不能に陥らない、これは重要な事ですが守り過ぎて重くなりサスペンションのパフォーマンスは低下。結果、転倒してしまう。転倒したマシンを起こすのに体力を奪われ破損は免れたものの・・・これでは本末転倒です。もしくはガード類が破損や変形して走行困難に陥る。あぁ…これじゃプラモ狂志郎のパーフェクトガンダムじゃないか!

例えばセルですが、ついている事で難所での再スタートが容易ですが、モーター類やバッテリー重量+取付位置で重量は増します。ライダーのやるべき事とマシンのやるべき事をきちんと分け、ライダーはトレーニングしマシンはパフォーマンスアップするべきじゃないかな?と感じます。セルシステムが悪いと言っているのではありませんよ(^^;僕は外しちゃいましたけど…。

 

 

 

 

 

KTM 200EXCのサスペションメンテナンス(リアショック編)

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

前回の続きです。いつからメンテナンスいなかったのかリバウンドアジャスターの動きが渋くなっていました。この部分ですが、水分が浸入してしまうんですね。浸入しない様にする為の社外品も出ているので交換をご希望の方はご指定下さい。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

分解してみるとフロントフォークと同じくショート加工してありました。PDSショックの特徴ですがピストンバルブが二つあります。通常のショックと違い、リンクレス構造ですので位置依存が強いショックなんです。

ですのでリンク式に装着されているショックユニットと比べるとメンテナンスやチューニングの効果が出やすいと感じます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

WPのショックユニットも専用のポンプでエア抜きします。このエア抜き工程は最重要工程です。手作業のエア抜きですとエア抜き中にキャビテーションが起きてしまい、抜いた筈のエアが混入してしまったり品質が一定になりません。

セロー250やトリッカーのフロントフォークとPDバルブ

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

セロー250やトリッカー等と言ったトレッキングバイクのフロントフォークはダンピングロッド式と呼ばれる物で、カードリッジ式の物と比べ減衰圧の発生の仕方がオリフィスだけで担ている為、イマイチ安定性に欠けます。ふわふわとしてグッと踏ん張って、スッと戻るサスペンションの動きをしてくれません。

そこでダンパーロッドの上部に伸び時、圧時のオイルの流れをそれぞれ独立させるバルブを取り付け、ダンパー機能を安定させます。この時、バルブの高さの分だけスプリングのプリロード(イニシャル量)が変化してしまうので各部の寸法に注意して調整する必要があります。

ダンパーロッドとバルブの接合部に問題がある場合は別途アダプターが必要になったりするのでその辺も確認し必要であればアダプターを制作します。

そうするだけであら不思議!フォークの動きが安定してコントロールし易く生まれ変わっちゃったりします。

KTM 200EXC サスペンションのメンテナンス(フロントフォーク編)

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

KTMのエンデューロマシン、200EXCのサスペンションをメンテナンスします。先ずはフロントフォークからです。オーナー様からローダウン仕様にしてあると伺っていたので各部の寸法を確認しながら分解していきます。

特に不具合なく各部を綺麗にして消耗したシール類やピストンバンドを新品にして組上げました。これでダンパー機能を取り戻す事ができます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

続きましてリアショックです。

続く・・・

 

 

WR250Fのリアショック修理(オーバーホール)

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

いつもご愛読ありがとうございます。本日はWR250Fのリアショックをオーバーホールした模様です。ボトムアウトバンパー(ダンパーラバー)が砕けそうな状態です。

外から見てこのラバーが痛んでいる場合、メンテナンス時期だと思って下さい。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

オイルシール、ダストシール等のシール類は勿論ですがピストンバンドやブラッダ(ガス袋)も交換します。その上で専用のポンプを使い徹底的にエア抜きをして組上げます。

今回はオーナー様のご希望でスプリングの変更も行いました。

GSX-R1000のサスペンション修理

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

いつもご愛読ありがとうございます。

GSX-R1000・750・600等のSS(スーパースポーツ)系のリアショックは大抵オーバーホール可能な物が装着されています。今回のマシンは走行距離にして3万キロを越えていますので、オーバーホールするだけでも良くなります。

コーナーでの切り返しが重ったるい感じが、スパスパっと切り返せる様になったり、走行安定性が甦りますから満足して頂けると思います。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

今回、フロントフォークもオーバーホールします。上の画像はダンパー性能に大きく影響するパーツですので入念にチェックし綺麗にして組込みます。

CRF230F サスペンション修理の続き

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

前回の、続きCRF230Fのサスペンション修理の模様です。フロントフォークからオイル漏れをしており、漏れてる側のフォークの動きがおかしくなっておりました。

よくよく点検してみるとアウターチューブに大きな打痕がついていました。どうやらこの打痕でアウターが一部変形して引っかかってオイル漏れを起したようです(^^;

何とか修正して組まないと直ぐにオイルシールが駄目になってしまいますのでホーニングします。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

続きましてリアショックの修理です。特にオイルが漏れている訳じゃないのですが最近ポンポン跳ねるとの事なのでオーバーホールする事になりました。

このタイプのショックですと別途ガス注入口を設置する必要があります。

ダストシール、オイルシール、ボトムアウトラバー、ピストンバンドやスライドブッシュを新しい物に交換してリフレッシュしました。

CRF150Rのサスペション リバルビング

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

いつもご愛読ありがとうございます。今回はCRF150Rを大人仕様にしつつトラクション性を向上させるリバルビングメニューを施します。

2012年モデルからCRF150Rもマイナーチェンジをしておりますが、1型から乗り継いでいる方や他の85モデルからの乗り換えのオーナー様は『硬さ』を感じる場合が多い様です。実際にダンパーは1型よりも強くなっていまして、この辺りを取り除きつつ踏ん張りを持たせる様にリバルブします。

前後共にTEN・COMPのシムを大幅に入れ替えて組上げます。時間と予算に余裕がある場合はショックボディにカシマコートがお勧めです!ノーマルはアルミの未コートボディですのでフリクションが大きくてオイルの劣化も早いのでカシマコートを施すだけでも十分良くなるのが実感できます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
前後完成!

更に余裕があればフォークのアウターチューブへカシマコートを施すのも効果絶大です。アウター内壁とスライドブッシュは常に接地しており、ストロークの長いフォークですから接地面積の大きさを考えると、その効果は大きいと思います。

 

YZF-R6のサスペンション修理

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
取外し
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
分解洗浄
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
完成

YZF-R6のサスペンション修理の模様です。走行距離が嵩んでますので、このままですと新車の時の様な運動性は望めません。少しづつ劣化していくので気付かないうちに…となるのが機械です。

ヤマハのマシンにはヤマハオリジナルのリアショックが装着されているモデルが多く、KYBやSHOWAとは違い独特な造りです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
バキュームポンプ
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
フロントサスペンション

とは言ってもジョニーズファクトリーでは特殊ポンプに接続可能ですんでご安心下さいm(__)m

フロントはフォークオイル漏れとステムにガタがあるので修理します。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ステム完成
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
フォーク完成

 

RMX250SとRMX250Rのフロントサスペンション

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ステムレース
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ステムベアリング洗浄
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
フォークO/H

前回の続き、RMX250Rのフロントサスペンションのオーバーホールです。いつも通り各可動部分を洗浄して組立ていきます。特に壊れていたり不具合がある訳ではないので修理とは違います。

ガタや打痕も無い状態でしたので交換せずにメンテナンスしました。フォークは完全分解しシール類とスライドメタルは念の為、交換します。

このRMX250SはエンデューロレーサーのRモデルに近づけた仕様になってます。足回りもスプリングレートとダンパーボリュームをよりスポーツ走行向けにしてあるんですね。俗に言うリバルビングしてあるサスペンションなんです。

なので通常のRMX250Sに乗ってるオーナーさんがこのRMXに乗ると皆さん、その乗り易さに驚かれます。正立カードリッジ式のフォークですが意外にもシンプルな構造で、KTMのEXCモデルに着いてくるWPのオープンタイプに似てるな~と感じます。EXCは倒立なんですが(^^;

当時のレーサーレプリカ(?)であるCRM250やDT200WRより一歩先を行ってる感じがあります。その辺りも銘車と呼ばれる由縁なんじゃないかなーと思います。オートバイの良い時代だったんだなーと。

正直、今のナンバー付のオフロードトレールバイクより出来の良いバイクだと思います(^^;